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日本代表 10年前

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度

text by チェーザレ・ポレンギ photo by editorial staff

ただ走るだけではボールは奪えない

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度
チェーザレ・ポレンギ【写真:フットボールチャンネル編集部】

――非常に興味深い部分ですね。今の日本代表の守備についてもある意味で同じことが言えるでしょうか? 4バックであることは4年前と変わりませんが、中澤と闘莉王のような高さと強さを特徴とするタイプではなく、身長はありますがタイプの違う吉田、高さがあるわけではない今野を使ってきたのは、多少失点が増えてもより攻撃的に戦おうとする姿勢の表れだと言えるかもしれません。

「幸いと言うべきかもしれないが、現在は世界的に見てもある程度はどのチームもショートパスを志向しています。もちろんロングボールやクロスもありますが、特に欧州ではどこも低いボールを繋ごうとしているので、さほど高さはなくとも致命的な不利にはならないかもしれません。

 高さではなく積極的なプレッシングでボールを奪いに行くような部分は日本の特徴として突き詰めていくべきだとは思いますが、ボールを奪いに行くタイミング、プレスを掛けるタイミングなど改善すべき点はまだまだあります。ただ走るだけでボールは奪えません」

――Jリーグが開幕した20年前と比べればかなり変わってきた部分だとは思います。ジーコやリネカー、リトバルスキといった選手たちを大勢で追いかけてかわされていたような場面もあったと思いますが…。

「日本にも若くて興味深い選手は多いと思いますが、大事なのは成長を続けていくことです。スペクタクルやフェアプレーを求めるというような話はよく聞いたし、確かにそれは当然だとは思いますが、現実的にサッカーはそれだけではありません。

 フィジカルコンタクトや、闘争心を押し出しての戦いもサッカーの一部だと思います。現実も見なければなりませんが、日本ではまだ少し欧州に比べると『ソフト』だと感じられます」

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