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日本代表 10年前

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度

text by チェーザレ・ポレンギ photo by editorial staff

時間稼ぎをしない。正しいのか?

――そこに関連してですが、現在のJリーグの村井チェアマンが今季の最初にクラブに3つの約束をお願いしたということがありましたが、その中の一つに時間稼ぎを目的としたような見苦しい選手交代はやめてほしい、というものがありました。

 これはもちろん正しいこと、美しいことだと思いますが、国際舞台の戦いで一つの勝利や引き分けが必要となったときに、この非常にスポーツマンシップ溢れるメンタリティがある意味で不利に働くこともあるとは思いませんか?

 シミュレーションに関する姿勢についても同じことが言えるかもしれません。

「もちろん理想として言うべきことではあると思います。間違いなく正しいことです。

 一方で、国際レベルのプロサッカーの世界において、わずか5秒を稼ぐために必死になるのはレアル・マドリーだってユベントスだってやっていることです。私がFC東京の前に指揮したカリアリでもそうでした。

 ある程度はサッカーのメカニズムの一部として存在している現実ではあります。日本代表がもしW杯の試合で1-0というスコアで勝っていたとして、90分を迎えたとしたらどうでしょう。

 CKを蹴るのに時間をかけたとすれば、スポーツマンシップとしては理想的ではないとしても、人間としてある意味で責められないことではあるかもしれません」

【了】

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