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仮想コートジボワールとして最適だったザンビア。大久保1トップ、ザックの構想外で先発争いはさらに混迷

text by 西部謙司 photo by Getty Images

大久保の使いどころは?

仮想コートジボワールとして最適だったザンビア。大久保1トップ、ザックの構想外で先発争いはさらに混迷
あと1週間で大久保仕様の1トップに作り替えるか【写真:Getty Images】

 実は、先発は大久保と予想していた。後半から出場したが、1トップでのプレーは15分ほどで、その後は右サイドへ移動している。ザッケローニ監督は1トップとしての大久保をあまり買っていないのかもしれない。

 日本の1トップは相手のディフェンスと駆け引きして、本田と香川にスペースを作る役割がある。これは誰がプレーしてもやらなければならない。この点で最もフィットしているのは大迫だ。大久保はオトリ役よりも自らボールに絡んだほうが生きるタイプである。

 ある意味アタマが痛いのは、攻撃で最も頼りになる大久保、岡崎のポジションが重なっていること。大久保をスーパーサブとして使うか、あと1週間で大久保仕様の1トップに作り替えるか。

 それにしても大久保の得点は見事だった。青山のパスも素晴らしかったが、右足でコントロールした後、腰の左あたりでボールを押し出したのが効いている。あの感覚は天性のものだろう。才能、経験、自信を持ち、攻撃のリーダーとしての存在感があった。

 秘密兵器・斎藤は何もしなかった。チャンスがなかったのか予定どおりなのかはわからないが、結果としてはこれでいい。武器は本番まで見せないほうがいいからだ。

 良くも悪くも日本代表はこれまでどおりだった。得点できるが失点もする。コートジボワール戦は試合の入り方を修正したい。相手のビルドアップをもっと効果的に制御し、相手の良さを消しながら試合をコントロールできないと危ない。開幕直前、本当にいい相手と試合ができたと思う。

【了】

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