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日本代表 10年前

アギーレジャパンの攻撃を読む。FW6人が語る新体制での決意と指揮官が攻撃陣に求めること

text by 河治良幸 photo by Getty Images

本田にとってもポジティブな環境

 アギーレ監督は3トップと言っても左右のウィングに、そこまでサイドに張ることを求めないため、運動量を豊富に要求される以外、選手の特徴やコンビネーションの相乗効果などが、そのまま攻撃のパフォーマンスとして発揮される余地が大きい。その点は岡崎と同じ右ウィングが想定される本田も守備のエリアを除けば、トップ下の時と大きく変わらない方法で幅広く攻撃に絡めるのではないか。

 ミランでも3トップの右を任される本田は「(同じポジションの)可能性は十二分にあると思います」と語るが、縦の突破を狙うタイプではなく、ワイドから一気に走りこんで受けるタイプでもない。

 ライン際から中央のバイタルまで幅広く流れ、機を見てスルーパスやタイミングの良い飛び出しを狙う。もちろん左足の強烈なミドルシュートも大きな武器だが、何より周りと流動的に絡むことで存在感が増す選手だ。

 確かにブラジルW杯ではチームがうまく機能しない中で、強引に仕掛けていくプレーが目立ったが、本来は周りを活かすことで自分も活きる選手。アギーレ監督の話ややりとりに関しては「話し合っていけるという意味なのかなとは思いました」と語り、選手や指揮官とのコミュニケーションを重視する本田にとっても、ポジティブな環境であるようだ。

 4バックと3ハーフは攻守のバランスも含め戦術的なベースは大事になるが、3人のアタッカーは少なくとも攻撃に関して、自由度の高い環境の中で個性を引き出し、その発揮させる個性の理想的な組み合わせを探っていくのではないか。

 もちろん、そこに「走らない選手は使わない」というコンセプトは入ってくるが、ウルグアイ戦から積極的に自分の持ち味を発揮することが大事で、それらが組み合わさることでの相乗効果がアギーレジャパンの得点力に直結していくのではないか。

【了】

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