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日本代表 10年前

「左には左を」。初戦から見えたアギーレ監督の利き足へのこだわり。坂井招集の理由も利き足にあり

就任2戦目となるベネズエラ戦を迎えるハビエル・アギーレ監督。初戦を終え、4-3-3のシステムやショートカウンターのスタイル、新戦力の起用など多くの変化が見られるが、最も大きな特徴は「利き足」の部分だ。

text by 神谷正明 photo by Getty Images

リーグ戦4試合。坂井起用の理由は「左利きのCBだから」

「左には左を」。初戦から見えたアギーレ監督の利き足へのこだわり。坂井招集の理由も利き足にあり
アギーレ監督は初陣で坂井達弥を左センターバックで先発起用【写真:Getty Images】

 アギーレジャパンはウルグアイに0-2で敗れ、初陣を勝利で飾れなかった。まだ1試合しかやっていないので分からない部分も多いが、それでも特徴のようなものは見えてきた。

 1つは注目を集めている利き足の部分だ。本田圭佑、扇原貴宏、坂井達弥、田中順也の4人が左利きだが、利き足がここまでクローズアップされるのは珍しい。

 それはやはり誰も予想できなかった坂井の招集が要因だろう。大卒2年目で、招集されるまで今季リーグ戦に4試合しか出場していない坂井が呼ばれたのは「左利きのセンターバックだから」というのが大きな理由だと考えられるからだ。

 実際、アギーレ監督は初陣で坂井を左センターバックで先発起用した。ベネズエラよりも格上のウルグアイに対して使ってきたこと、経験の浅い坂井に一発目の試合でいきなりチャンスを与えたあたりからもメッセージとして伝わってくる。

 左利きを左センターバックに置くことは、ビルドアップの時に有利な点がある。プレスを受けても右利きの左センターバックより苦しくなりにくいのが1つ。基本的にプレスは一番危険な中央へのパスコースを切りながらかける。

 左センターバックはその場合、自分から見て右側からプレッシャーを受けることになるが、右利きだとボールを晒すことになるので体の向きやポジション取りなどでちょっとした工夫が必要になってくるし、制限も出てくる。

 左利きであれば前を向いた状態でも相手から遠い位置でボールを持てるし、蹴り足の前に敵がいない状態で右利きよりも縦に蹴りやすい。

 また蹴ったボールの軌道が同サイド側だと外から巻くような流れになるので、比較的簡単にサイドやトップにロングボールを蹴れる。プレスをかけられて困った時に「エイヤッ」と大きく蹴っても、それなりに攻撃の形を作りやすい。

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