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香川真司 10年前

ドルトムント、“エース香川”が帰還。復帰戦で得点、早くもチームの中心に。監督、仲間の信頼が蘇らせる

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

精力的に動き回り自らも得点。復帰戦でチームの中心に

 そして、その慣れ親しんだフォーメーションでの自らのベストポジションで香川は躍動した。

 立ち上がりから積極的にプレスを仕掛け、ピッチ上のあらゆるところに顔を出すなど精力的に動き回る。そんな香川に対して味方はパスを出す。ボールに多く触れる香川は、パスでチャンスを作り出し、前半5分には自らチーム1本目となるミドルシュートを放った。

 これら全て、昨シーズンのマンチェスター・ユナイテッドではあまり見られなかったプレーであり「守備が出来ない」「パスが消極的」「積極的に仕掛けない」などとイングランドで批判された部分でもある。

 しかし、ドルトムントでは香川からのリターンパスに戸惑いの表情を見せるような選手はおらず、無駄走りに終わることもない。

 前半21分にはゴール前に走り込んだ香川へ、ムヒタリヤンがクロスを送る。このボールは香川に届く前にDFによってクリアされて得点には至らなかったが、この先の活躍を予感させるような場面だった。

 すると34分、左サイドで香川からのスルーパスに抜け出したグロスクロイツがクロスを送ると、アドリアン・ラモスが左足で合わせて先制。以前も抜群の連係を見せていたグロスクロイツとの“ホットライン”は2年の空白を経ても健在だった。

 そして、歓喜の瞬間が訪れたのは41分。アドリアン・ラモスが右サイドからクロスを送ると、ゴール前のムヒタリヤンが絶妙なスルー。すると、後方には香川の姿が! 味方のお膳立てをフリーで受けた香川は、右足で冷静に流し込んだ。

 後半は19分に足をつってチーロ・インモービレと交代となったが、これほどチームの中心としてプレーしたのは久々だったので仕方がないだろう。ピッチ上で生き生きとした姿を見せ、良い表情でサッカーを楽しんでいる様子には見ているファンも胸を躍らせたはずだ。

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