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バルサ“幻惑3トップ”がシャビに華を手向けるか。ユーベ復活の鍵は宿敵出身の“ラッキーボーイ”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

アシスト役としても絶大な力を発揮するメッシ

 まず、ここまで12試合のチーム総得点を見ると、ユーベの16得点に対してバルサは28得点。1試合平均に換算するとユーベが1.33点でバルサは2.33点と1点もの差がある。

 さらに、選手個々の成績を見てもユーベはFWテベスの7得点がトップで、ほかに複数得点を記録しているのはモラタの4得点のみ。一方のバルサは、メッシの10点を筆頭にネイマールが9点、スアレスが6点と最強3トップだけで25得点を記録している。

 ペップ・グアルディオラ監督の就任以降、“ティキ・タカ”と呼ばれるポゼッションスタイルで一躍世界中の憧れの的となったバルサだが、今季から就任したルイス・エンリケ監督はポゼッションだけでなくカウンターという要素も加えた。

 シーズン当初は、ある意味で“普通のチーム”となったことに対して批判的な意見も続出したものの、スアレスの出場停止明け以降はむしろ“普通のチーム”となったことで前線3人の力がストレートに発揮された印象もある。

 前回優勝の10-11シーズンでは大会を通して68%の支配率で30得点を記録したが、今大会はここまで59%で28得点。決勝のスコア次第では得点数は越える可能性もあるため、支配率は大幅に下がりながらも得点力は維持していると言えるだろう。

 なにより、今季のメッシは圧巻の一言に尽きる。放っておけばピッチのあらゆる位置に顔を出し際限なく点を決めるメッシに対して、相手チームが徹底マークで挑むのは当然。しかし、今季のメッシはマークされれば中盤まで下がる動きを見せる。

 これにより、メッシがアシスト役となって前線の空いたスペースをネイマールとスアレスが使い、相手守備陣を混乱に陥らせる場面が多々ある。今季、メッシは公式戦56試合で58得点という現実離れした得点数を記録する一方でアシスト数も30と並の選手なら得点数でも賞賛されるような数字を残した。

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