J1でも「まったく問題なくできるんじゃないか」
前線の選手たちを後方支援したボランチの梶山は、久保の特異さを何度も感じたという。
「(相手選手の)間にポジションを取るのが、すごく上手いと思いました。そのときにチーム全員が、もっともっと意識してボールをつけたほうがよかったというのもあった。そこはサイドバックやサイドハーフの選手を含めて、これからの課題でもあると思う。
僕自身も空いている選手を探して、そこにボールが入った後のサポートというものを意識していましたけど、やっぱり(久保に)ボールをもたせれば普通にできるし、チャンスにもなると思いましたよね。いつも自分の目に入るポジションに入ってきたので」
梶山自身は開幕直前の練習中に左ヒラメ筋を挫傷して、全治3週間の診断を受けていた。ようやくトップチームに合流して、出場機会は訪れなかったものの、サガン戦で初めてベンチ入りを果たしていた。
一夜明けたJ3の鹿児島戦で戦列に復帰。前半だけのプレーでベンチへ退いたが、これから試合勘を含めた心身の状態を上げていく過程で楽しみができたと笑顔を浮かべる。
「僕ももっとコンディションを上げて(久保と)また一緒にやれれば、もっと楽しんでできそうな感じもしたので。先ほど言ったポジション取りもそうだし、技術の部分は問題なく通用するし、実際、シュートを何本も打っていましたよね」
ここでひとつ確認してみた。技術が通用するのはJ3ではなくJ1の舞台なのか、と。J1で256試合に出場している梶山は「そうです」と笑いながら、こう続けてくれた。
「プレスなどで相手に体を寄せられたときは後方でサポートしてあげて、逃げ道をしっかりと作ってあげれば、まったく問題なくできるんじゃないかと思いました。初ゴールを取らせてあげるまで、(J3で)一緒にやりたいですね」
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