フットボールチャンネル

Jリーグ 7年前

久保建英、加速する成長速度。FC東京U-23出場のベテラン選手が語る、15歳FWの現在地

15歳の逸材、FW久保建英(FC東京U‐18)が成長のスピードを加速させている。J3に参戦しているFC東京U‐23を今シーズンの主戦場とするなかで、2日の鹿児島ユナイテッドFC戦では35歳の元日本代表FW前田遼一と2トップを組み、「10番」を背負う31歳の梶山陽平の後方支援を受けた。ゲームキャプテンを務めた28歳のDF吉本一謙を含めて、鹿児島戦に出場したオーバーエイジ組の証言をまじえながら、FCバルセロナの下部組織で育ったホープの現在地を追った。(取材・文・藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

元日本代表・前田遼一と組んだ2トップ

今季はFC東京U-23が主戦場となっている久保建英
今季はFC東京U-23が主戦場となっている久保建英【写真:Getty Images】

 自分が生まれる前からプロの舞台に立っている大ベテランが、いつも近くにいる。2日に江東区夢の島競技場で行われたJ3第4節。FC東京U‐23の15歳、久保建英はJ1で歴代4位タイとなる152ゴールをあげている元日本代表、35歳の前田遼一と2トップを組んで先発した。

 年齢差は実に20歳。2001年6月4日に久保が産声をあげたとき、東京・暁星高校からジュビロ磐田に加入して2年目だった前田はすでにJ1でデビューしていた。鹿児島ユナイテッド戦のキックオフが間近に迫ったピッチ。ゲームキャプテンを務めるDF吉本一謙が、円陣を組む直前に久保に耳打ちした。

「足元だけでボールを受けないように。(前田)遼一さんとどちらかが、詰まったときには前に行って」

 前田と28歳の吉本だけではない。ゴールキーパーには27歳の大久保択生、そしてボランチには「10番」を背負う31歳の梶山陽平が、23歳以下の若い選手たちとともにピッチに立った。

 昨シーズンからU‐23チームをJ3に参戦させているFC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪は、フィールドプレーヤー3人とゴールキーパー1人のオーバーエイジを起用することができる。

 もっとも、FC東京は原則としてオーバーエイジ枠は行使せず、トップチームの若手だけでメンバーを編成できない場合は、2種登録されたFC東京U‐18所属の選手たちを積極的に起用してきた。

 しかし、高校が春休み中とあって、U‐18チームがドイツに遠征していた。そこでトップチームで出場機会の少ない4人をオーバーエイジとして起用し、ほぼぶっつけ本番でホープたちと融合させた。

 結果として、鹿児島戦で先発した11人のなかで、2種登録選手はU‐20日本代表のドイツ遠征から帰国したばかりの久保だけとなった。すでに今シーズンのJ3で2試合にフル出場している逸材は、これまでとは異なる雰囲気を肌で感じ取っていた。

「いつもプレーしている人たちとは、やはり違った選手たちなので。五分五分のボールでも前田選手は普通にもっていくので、すごく馬力がありました」

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top