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Jリーグ 7年前

久保建英、加速する成長速度。FC東京U-23出場のベテラン選手が語る、15歳FWの現在地

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「6‐3‐3」の学校制度にとらわれない育成方針

 J3にU‐23チームを参戦させた時点で、FC東京は「6‐3‐3」の学校制度にとらわれることなく、組織全体で育成のスピードアップを図っていく方針を掲げている。

 高校卒業を待たずしてJ3の舞台でどんどんプロ相手の真剣勝負を積ませ、高円宮杯U‐18プレミアリーグEASTなどの大会に臨むU‐18には、必要とあればU‐15むさしやU‐15深川から有望株を飛び級で昇格させる。育成を加速させる触媒となるのがU‐23の存在になると、中村忠監督も言う。

「J1に一人でも多くの選手を輩出して活躍させる。そのための準備や個々のプレーの確認という部分が、ウチのチームでは特化している。ここでしっかりプレーする、トレーニングの段階からしっかり見せられる選手がJ1に出られる。若い選手はここでゲームを重ねることで、経験値を積んでいく。

 さらに若いU‐18の(2種登録)選手に関しても、彼らが目指しているのはプロの世界であり、それをひとつでも若く経験できることでいま現在の自分の立ち位置、トップ昇格へ向けたいろいろな部分の個人的なモチベーションを上げていく。チームとして何かを作りあげるというのは確かに難しい点もありますけれども、いまは本当に一人ひとりが違った立場で目的意識をもって取り組んでいます」

 鹿児島戦のスタンドには、トップチームを率いる篠田善之監督の姿もあった。アウェイ戦で現地に行けないときは、映像などを介して必ずU‐23チームのパフォーマンスをチェックしている。

 2種登録選手制度も有効に活用しながら、育成型ビッグクラブを目指していく流れのなかに、そのポテンシャルにFCバルセロナもほれ込んだ久保もしっかりと組み込まれていることになる。

 試合は前半をスコアレスで折り返すと、後半に入って前へのプレッシャーを強めた鹿児島が2点をリードする。FC東京U-23は途中出場したU‐18所属の17歳、MF小林幹の2試合連続ゴールで追い上げたものの、あと1点が届かずに3敗目を喫した。

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