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代表 6年前

“クロップの息子”、レバンドフスキ。運命を変えた火山噴火。世界最高峰に育てた“父親”との絆【W杯 日本を襲う猛獣たち】

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 本田千尋 photo by Getty Images

与えられた信頼。欠けていた父の愛を取り戻す

ロベルト・レバンドフスキ
レバンドフスキはユルゲン・クロップ監督(左)を「父親のような存在」だと言う【写真:Getty Images】

 後にバイエルン・ミュンヘンに移籍し、ペップ・グアルディオラ、カルロ・アンチェロティ、そしてユップ・ユップハインケスと数々の名将の下でプレーすることになるレバンドフスキだが、最も影響を受けた監督は、やはりクロップだ。

 レバンドフスキは言う。  

「彼は僕に信頼を与えたんだ」

 クロップは「父親のような存在」と言う。

 16年10月4日付の『インディペンデント』電子版に、その頃の様子を明かした。

「選手として言えることは、彼は後ろから完全に見守ってくれるということだ。父親のような存在なんだ。選手に対する信頼を感じる。そうすることで選手は完全にクロップのメソッドとアイデアに対して長期的にオープンになる。試合やチームにとってメリットになることを、誰もが常に確認できるんだ」

 子供の頃に父親が突然死去したレバンドフスキ。ドルトムントでクロップに信頼されることで、欠けていた父の愛を取り戻したことも、メンタル面で好影響を及ぼし、飛躍のきっかけとなったのかもしれない。

 加入して最初の3〜4ヶ月間、レバンドフスキとクロップは、トレーニング中に1対1のゲームに興じたのだという。それは賭け事でもあった。

「最初の数回のトレーニングでは、クロップが常に勝っていたよ! その後は、そうでもなかった。常にクロップが負けた! 彼はそれ以上プレーしたがらなかった。1ゲームにつき50ユーロが賭けられていたけど、最後には僕の方が黒字になったね! だけど僕はこうして最初に、クロップと一緒にトレーニングすることが重要であることを確認したんだ」

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