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Jリーグ 2年前

鹿島アントラーズ、樋口雄太が持つ2つの顔。「ああいうプレーが自分の良さ」、新加入MFがもたらすものとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

新加入・樋口雄太の輝き



「レネ監督からは前へのスプリントやゆっくり回すところのメリハリを強調されていて、より直線的にゴールを目指す形が求められているなと感じます」と宮崎キャンプ中に三竿健斗が話していた通り、この日の鹿島は最終ラインから組み立てる形と縦パス1本で前線へ展開する形を使い分けながら、積極的に攻めに出ていた。

「選手1人1人を見ていて、パフォーマンスが悪い人間がいなかった」と岩政コーチも言う。広瀬陸斗と安西幸輝の両サイドバック(SB)はアグレッシブに高い位置を取り、ディエゴ・ピトゥカは攻守両面で機動力を示していた。エヴェラウドも最前線でキレのある動きを見せており、全体的に仕上がりは悪くなさそうだった。

 とりわけ、ピトゥカとボランチでコンビを組んだ樋口雄太の一挙手一投足は光っていた。前半から意欲的にボールに触り、攻撃を組み立てながら前へ出ていく姿勢を強く押し出したのだ。守備面では縦に攻め上がった安西のポジションを埋めてリスク管理に努めるなど、鳥栖時代同様に気の利いた位置取りを要所で見せていた。

 そして前半27分には、ペナルティエリア手前でボールを受け、自ら突破を試みる。切れ味鋭いドリブルには対峙していた前田椋介もたまらずファウルをしてしまい、鹿島はPKをゲットする。これを鈴木が惜しくも外してしまい、先制点とはならなかったが、樋口自身は「ああいうプレーが自分の良さだと思っているので、どんどん出していきたい」と手ごたえをつかんだ様子だった。

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