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Jリーグ 2年前

「継続」か「刷新」か。早くも実現するJ1昇格候補の直接対決。注目のマッチアップは…【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

期待を持たせる町田ゼルビアの陣容

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【写真:Getty Images】



 昨季の主力メンバーのうち、町田を去ったのは保有元クラブへ戻った吉尾海夏のみ。補強が完了したのはポポヴィッチ監督が望んでいたより遅い時期になったとはいえ、ポープ・ウィリアム、翁長聖、菅沼駿哉、山口一真、ヴィニシウス・アラウージョらの獲得により、今季のチームは重要なポジションで選手層の厚みを増している。

 だが、おそらく新戦力以上に重要なのは、平戸太貴が引き続きゼルビアの10番を背負い続けているという事実だ。鹿島アントラーズから期限付き移籍した2017年、2018年に印象的な活躍を残した。2019シーズン開始時には一旦鹿島へ戻ったが、J1の強豪ではなかなかチャンスを得られず、その年の夏には完全移籍で町田に帰還。以来、J2で最も安定して確かなパフォーマンスを発揮し続ける選手の一人となっている。

 24歳の平戸はチームの攻撃面の大半を指揮し、セットプレーから大きな脅威をもたらすのに加えて、自らも町田再加入以来21得点を記録している。そのうちの2つは今季の成績に大きく寄与している。グルージャ戦の決勝ゴールと、先週末のアウェイの金沢で逆転勝利に繋がった同点ゴールだ。

 中島裕希、ドゥドゥ、そしてツエーゲン戦の終了間際に冷静なフィニッシュで勝ち点3をもたらした鄭大世というベテランFW陣の存在に加え、昨年のモンテディオ山形で14得点を記録したヴィニシウス・アラウージョも新たに加入した。平戸がゴールをお膳立てできる相手は揃っている。同じ鹿島出身の山口も2020年の水戸ホーリーホックで見せたような調子を取り戻すことができれば、創造的なプレーの部分で平戸の負担を軽減できることにも繋がるだろう。

 同じくファジアーノも、今季は攻撃陣に確かな戦力を誇っている。

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