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Jリーグ 2年前

川崎フロンターレ、ACL敗退の影響は? 別格の存在だった“王朝”を倒す者は現れるか【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

“王朝”を倒す者は現れるのか?



 このパス成功率の高さは90分間を通して変わらず。清水がゴールを狙う場面も多少はあったが、フロンターレの勝利が危うく感じられることは皆無だった。一方で鹿島は、アウェイでのサンフレッチェ広島戦に0-3でまさかの完敗。この結果両チームの勝ち点差はあっという間にわずか2ポイントに縮まり、しかもフロンターレが1試合を多く残す状況となった。

 シーズンはまだ3分の1を消化した段階であり、タイトル候補について本気で確信を込めた予想を始めるのはもちろんバカバカしい話だろう。だが今後の試合日程をざっと眺めてみると、川崎にはここから主導権を握り、もう一度集団のトップに躍り出るチャンスが十分にあるのではないかと思える。

 今週末のホームでのアビスパ福岡戦に始まり、6月末のジュビロ磐田戦に到るまでのリーグ戦7試合は、いずれも明らかに勝てそうな試合だと感じられる。福岡も磐田も、またその間に対戦する5チーム(ヴィッセル神戸、サガン鳥栖、湘南ベルマーレ、京都サンガ、北海道コンサドーレ札幌)も全て中位やそれ以下に位置しており、チームの調子がよほど良い時でなければ2連覇中の王者を倒す番狂わせを起こすチャンスはなさそうだ。

 フロンターレのACL早期敗退が残念であることは間違いないが、今年はこれ以上大陸での戦いに力を割く必要がないという事実も、シーズンが進んで重圧が高まってくる頃には効いてくるかもしれない。川崎はこれまでに何度も、トップの座を守るために驚異的な強さを見せつけてきた。春から夏へと季節が移っていく中で、彼らと同じくらい暑さに耐えられるチームは果たして他に出てくるのだろうか。

(文:ショーン・キャロル)

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