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Jリーグ 2年前

2年でJ3からJ1、ヴィッセル神戸・飯野七聖が貫く自分の強み。サガン鳥栖で磨いた武器の生かし方とは?【この男、Jリーグにあり/前編】

シリーズ:この男、Jリーグにあり text by 藤江直人 photo by Getty Images

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AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16、ヴィッセル神戸対横浜F・マリノスが18日に行われ、3-2で勝利した神戸が準々決勝に駒を進めた。神戸の右ウイングを務めた飯野七聖は、ACLデビューとなったこの試合で、マリノスを圧倒するパフォーマンスを見せた。加入間もない韋駄天は、自身の強みをどのように生かしているのか。(取材・文:藤江直人)


衝撃的だった飯野七聖のパフォーマンス


【写真:Getty Images】

 どうしても想像したくなってしまう。J1リーグ戦のようにトラッキングデータが計測されていたならば、ヴィッセル神戸の飯野七聖の総走行距離とスプリント回数は、いったいどのような領域に達していたのだろうか、と。

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 とてつもない数字を期待してしまうほど、25歳の飯野がサッカー人生で初めて臨んだ大舞台、横浜F・マリノスとのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ノックアウトステージのラウンド16で見せたパフォーマンスは衝撃的だった。

 ハイライトは神戸が2-1でリードして迎えた80分だった。左サイドを縦へ突破した左ウイングの汰木康也が放ったグラウンダーのクロスが味方に合わず、相手ディフェンダーにもクリアされないまま逆サイドへ流れていった直後だった。

 ペナルティーエリア内にいたマリノスの左サイドバック、永戸勝也がまず反応した。ペナルティーエリアの右角あたりにいた飯野も、やや遅れてスプリントを開始する。

 ボールとの距離を比較すれば、永戸の方が圧倒的に近かった。しかし、前方へロングボールを供給しようと考えていたのか。最短距離を走っていった永戸はタッチライン際でスピードをやや緩め、利き足の左足を振り抜く体勢に入ろうとした。

 対照的に飯野はトップスピードに乗ったまま、弧を描く軌道を描きながらタッチラインとボールとの間に回り込んでいく。永戸の眼前でボールを回収し、間合いを保ちながらボールをキープするまでに抱いた思いを、飯野はこう語ってくれた。

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