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Jリーグ 2年前

浦和レッズACL決勝進出でも岩尾憲は「納得できていない」。34歳のMFが「ピッチ上の監督」と呼ばれる“ゆえん”【この男、Jリーグにあり】

シリーズ:この男、Jリーグにあり text by 藤江直人 photo by Getty Images

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AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝、全北現代対浦和レッズは2-2で延長戦を終え、1-3で浦和がPK戦を制して決勝進出を決めた。ラウンド16から準決勝までの3試合すべてにフル出場した岩尾憲は、徳島ヴォルティス時代からリカルド・ロドリゲス監督のことを深く理解する男の1人。ACLでは「ピッチ上の監督」として自ら率先して修正を施した。(取材・文:藤江直人)


決勝進出でも岩尾憲は「納得できていない」


【写真:Getty Images】

 7ヵ月あまりの時間をはさんで、浦和レッズのボランチ、34歳の岩尾憲から図らずもまったく同じ言葉を聞いた。それは「謙虚に、ひたむきに、コツコツと」だった。

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 直近では25日の全北現代(韓国)との準決勝をPK戦の末に制し、3大会ぶり4度目のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝進出を決めた死闘の余韻が残る埼玉スタジアム内の取材エリア。声出し応援が解禁された南北のゴール裏スタンドに集結した、浦和のファン・サポーターの力をさらに感じたのではと問われた直後だった。

 勝利を決めた直後にファン・サポーターが掲出した横断幕を引き合いに出し、全北現代戦で得た収穫以上に課題を強調しながら岩尾は前を見すえた。ちなみに、横断幕には「アジアの制覇は通過点 本気で世界を獲りに行こう」と綴られていた。

「ファン・サポーターのみなさんが目指すステージ、景色に僕たちもついていかなければいけない。ただ、それを実現するのは簡単じゃなくて、いまをしっかりと見つめて足りない部分を補い続け、トライし続けていくことでしかそこにはたどり着けない」

「次のステージに進めたのはよかったけど、できなかったことにも目を向けて、特に僕自身が今日の試合に対して納得できていない。パリ・サンジェルマンとも試合をしましたけど、その先の世界を考えたときに、その差は決して小さくない。自分自身にもしっかりと目を向けて、謙虚に、ひたむきに、コツコツとやっていきたい」

 このとき、1月12日の新体制発表会見を思い出さずにはいられなかった。オンライン形式で行われた質疑応答。J2へ降格した徳島ヴォルティスから期限付き移籍で加入した岩尾が、背番号が「19」に決まった思いを問われたときだった。

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