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Jリーグ 2年前

清武弘嗣が語る好調・セレッソ大阪の現在地。「いろいろ混ぜながら戦っている」。勝負を決める「細部のこだわり」とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

苦しむ浦和レッズの隙を突くセレッソ大阪



 その狙い通り、セレッソは序盤から組織的プレスで敵を脅かす。ボール支配率こそ上回られたが、最前線の加藤陸次樹と山田寛人が献身的にボールを奪いに行く。奥埜博亮・鈴木徳真の両ボランチも凄まじい運動量で追いかけ、マテイ・ヨニッチが統率する守備陣も連動してラインを上げ、全体をコンパクトに保つ。

 高度な共通意識にさすがの浦和も苦しみ、ゴールに迫れない。「いつも受けている位置でボールが入らないし、なかなかボールに絡めない。力不足を痛感した」と中盤のダイナモ・伊藤敦樹も困惑した表情を浮かべる。前半の浦和のシュートはリスタートからの知念哲矢のヘッド1本のみ。いかに苦しめられたか分かるだろう。

 セレッソの先制点は困惑する相手の隙を突く形から生まれた。発端は前半24分に自陣で得たFKだ。鈴木がクイックで出したボールを為田大貴が豪快なドリブルで一気に持ち上がり、逆サイドから中に走ってきた加藤に右足アウトで出した。次の瞬間、背番号20は右足ボレーをお見舞い。浦和ゴールを激しく揺らすことに成功する。

「為田選手がアラートの状態で準備してくれていたし、そこまでボールを運んでくれたので、僕は決めきるという最後の仕事をしっかりするだけだった」と大久保からエースナンバーを託された新エースFWは神妙な面持ちで言う。彼に今季リーグ7点目が生まれたこともチームを大いに勢いづけたはずだ。

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