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Jリーグ 2年前

ちらつく降格…。清水エスパルスが繰り返す悪癖。悔しさと苛立ち、命運を握るのは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

ジュビロ磐田を押し込む清水エスパルス



 10月12日の横浜F・マリノス戦を勝ち切った磐田も凄まじい闘争心を押し出してきたため、序盤はやや押される時間帯もあった。だが、前半20分あたりから完全にゲームを支配。左サイドバック(SB)の山原が巧みにゲームを作り、右へ展開。中山克広、片山瑛一にボランチの白崎凌兵、右CBの立田悠悟が絡みながらチャンスを作っていく。

 磐田はその攻撃にうまく対応できなかった。

「ピッチ内で話し合っていたけど、うまく修正できなかった」と山田大記も顔を曇らせたが、それだけ清水の攻撃に迫力があったという。中山の縦の突破からチアゴ・サンタナが立て続けに決定機を迎えた20~21分の分厚い攻めなどは、ゴールに結びついていてもおかしくなかった。

 こうした流れから、彼らは前半34分に山原の右CKから先制点を奪う。精度の高いボールに白崎が反応し、ニアでフリック。ファーサイドで鈴木義宜と片山が飛び込み、DFと交錯したところでボールがゴール前にこぼれ、チアゴ・サンタナが左足を一閃。デザインされたリスタートから待望の1点を手に入れたのである。

 先制した後も、権田ら守備陣も集中力を切らさずにプレー。前半終了間際の磐田の右CKの場面でも、ファーに流れた難しいボールに思い切って飛び出し、確実にキャッチ。さすがは代表守護神らしく、ケガの影響を全く感じさせない鋭さをしっかりと示した。

 清水は首尾よく前半を1-0で折り返した。ただ、磐田もこのままでは終わらない。

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