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Jリーグ 2年前

ちらつく降格…。清水エスパルスが繰り返す悪癖。悔しさと苛立ち、命運を握るのは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第31節、清水エスパルス対ジュビロ磐田が22日に行われ、1-1の引き分けに終わった。残留をかけた直接対決で、清水は先制したにもかかわらず土壇場で勝ち点を手放してしまった。降格も現実味を帯びる状況で現実を受け止めてチームを残留へと導こうとする者もいる。(取材・文:元川悦子)


残留をかけた静岡ダービー


【写真:Getty Images】

 31試合終了時点で勝ち点32の17位・清水エスパルスと同28の18位・ジュビロ磐田。サッカー王国の2チームがともに降格の危機に瀕する中、22日に静岡ダービーが行われた。舞台となったIAIスタジアム日本平には1万8182人の大観衆が集結し、試合前から凄まじい熱気に包まれていた。

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 6月にゼ・リカルド監督率いる新体制へ移行したホーム・清水は、8月に入ってチーム状態が上向き、一時はJ1残留が確実視されるところまで浮上した。しかし、8月20日の柏レイソル戦で後半アディショナルタイムに被弾し、1-1のドロー決着を強いられて以降、脆さを露呈し始める。9月10日の湘南ベルマーレ戦もラストの時間帯に勝ち点2を落とし、その後の9月17日のアビスパ福岡戦も先制しがら逆転負け。10月8日の川崎フロンターレ戦も一時のリードを守り切れなかった。

 気づいてみれば、4戦未勝利。再び降格圏に転落してしまった。このダービーで勝ち星を挙げなければ、2016年以来のJ2行きもあり得る。それだけは絶対に回避しなければならなかった。

 日本代表として出場した9月23日のアメリカ合衆国代表戦で背中を強打して帰国を余儀なくされ、川崎戦でも同じ箇所を痛めて退場したキャプテン・権田修一は、強い覚悟を持ってピッチに立った。直近1週間、十分な練習ができない状態で「正直、今日は久しぶりに試合前に90分できるのかという不安があった」と本人も言う。それでも「エスパルスでユニフォームを着てやる以上、体を張ってつぶれたら仕方ない。『ワールドカップ(W杯)があるからそっち』と思われるのが一番嫌」と1カ月後に迫ったカタールの大舞台に支障が出ても構わないという気迫を持って大一番に挑んだのだ。

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