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Jリーグ 2年前

ちらつく降格…。清水エスパルスが繰り返す悪癖。悔しさと苛立ち、命運を握るのは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

ジュビロ磐田が反撃に出た方法は?



 磐田は後半から背後を狙う動きを多くし、敵陣に攻め込む形を増やしていく。渋谷洋樹監督が後半14分にジャーメイン良と大津祐樹、22分に遠藤保仁、松原后を立て続けに投入したことで、攻めの姿勢はより鮮明になった。

 清水は相手を受ける形になったが、磐田のパス回しのミスからカルリーニョス・ジュニオとチアゴ・サンタナが鋭いカウンターを次々と発動。数回の得点機の1つでもモノにできていたら、結果は違っていただろう。

 そこで追加点を奪えないのが今の清水。チアゴ・サンタナの背後でセカンドトップ的な役割を担った北川航也も「多くのチャンスがあったので、早い時間帯で取れればもっと試合を優位に運べていた」と悔やんだ。その詰めの甘さが相手に付け入る隙を与えてしまう形になった。

 試合の流れが大きく変わったのは、磐田が19歳のルーキー・古川陽介を投入し、4バックにして攻め込んできた後半34分以降。両者ともにヒートアップし、不穏な空気が流れる中、迎えた後半アディショナルタイム。スローインの流れから松原が3人に囲まれて潰れると、こぼれ球を古川が拾ってマイナスに折り返した。次の瞬間、反応したのはジャーメイン。彼は巧みな右トラップから左足を振り抜いてゴール。さすがの権田もニアに飛んできたシュートを防ぎきれなかった。

「あの場面はファウルなのかファウルじゃないのかってところで止まってしまった。逆に集中力が高すぎたゆえに止まったというか。松原君みたいにボール際であれだけガンガン前に持ってこれる選手は日本にはいないし、古川君もマリノス相手に点を取っていた。『違いを作れるのはあの2人だよ』という話をしていたんですけど、やられてしまった」

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