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Jリーグ 9か月前

クローズアップされたヴィッセル神戸の「マイナス面」。優勝の前に立ちはだかる壁とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

大迫勇也の存在感が大きすぎるゆえのマイナス


【写真:Getty Images】



 だが、前線の起点がなくなった神戸は攻撃の鋭さが一気にトーンダウンしてしまう。最前線にはパトリッキが入り、彼の武器であるスピードを生かしたカウンターを繰り出そうと狙ったが、それ以上に川崎に押し込まれてしまう。

 川崎が3枚替えでマルシーニョらを投入した81分以降はまさに防戦一方。神戸が1人多いことを忘れてしまいそうな試合展開だった。6分間のアディショナルタイムも川崎が再三再四、決定機を作り、いつ同点に追いつかれてもおかしくなかった。その猛攻を何とかしのいで、1-0で逃げ切り、勝ち点を47に伸ばして首位をキープしたものの、「大迫の存在感が大きすぎるゆえの攻撃のマイナス面」がより一層、クローズアップされる形になったのも確かだ。

「サコがいなくなった後の攻撃の改善? それは難しいっすね(苦笑)。サコがもう1人いれば…って話になるんだろうけど、そうはいかないんで。サコが絶対的な存在感を示してるのはもうハッキリしたこと。ホントに代わりがいないというのは間違いないと思います。

 だけど、彼のケガの状況も分からないし、いなくなることもシーズン通してあり得ること。前節、自分もいなかったですし、次に(山口)蛍がいないとか、(齊藤)未月がいないとか、ヨッチ(武藤嘉紀)が出ないとかもいろいろある。でも優勝するには、それをしっかり乗り越えていかなきゃいけない」と酒井高徳も強調していた。

「脱・大迫」は神戸が今こそ、真剣に取り込まなければならない重要命題なのである。

 1つのポイントになるのが、パトリッキが最前線に上がった終盤の攻撃の形だろう。

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