井手口陽介完全移籍の会

　4シーズン目の指揮を執る長谷部監督のもとで、福岡はJ1リーグ戦で8位以上、天皇杯とルヴァンカップのカップ戦でベスト4以上の目標を掲げている。昨シーズン終了時の福岡の歴史を振り返れば、リーグ戦で8位、天皇杯でベスト8、ルヴァンカップでは昨シーズンのベスト4が最高位となっている。

　クラブの歴史を塗り替える戦いを続けてきたなかで、すでに天皇杯で目標を成就させ、リーグ戦でもサンフレッチェ広島と勝ち点3ポイント差の8位につけている。そしてルヴァンカップの目標を現実のものにするために、ホーム&アウェイ方式で6日と10日に行われる準々決勝に挑む。

　ベスト4進出を争う相手はくしくもFC東京。再び味の素スタジアムで、リーグ戦から中2日の強行日程で戦う第1戦へ、福岡は東京に残って調整を続けている。井手口が気を引き締める。

「今日の後半みたいな（相手を受ける）戦い方をしていたら絶対にダメだと思う」

　福岡の躍進へ必要不可欠になった中盤のダイナモをめぐっては、8月に入ってX（旧ツイッター）上で「#井手口陽介完全移籍の会」が立ち上げられている。ファン・サポーターの大きな期待はエールと化して、井手口をさらに鼓舞している。最も大きな番号を何気なく選んだ、という新天地での背番号「99」はもしかすると、戦列復帰後にマークしている稼働率99.9％を予告していたのかもしれない。

（取材・文：藤江直人）