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Jリーグ 7か月前

「人生で一番しんどかった」浦和レッズの不安と覚悟と涙。交錯した4人の感情とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

早川隼平のケガの状況は…

浦和レッズMF早川隼平
【写真:Getty Images】



「いまはまだアドレナリンとかが出ているので感じませんけど、これが切れたときに痛みがあるのかないのか。今日の試合に関しては、監督から『どうだ』みたいなことを聞かれましたし、自分としても出られるのならば出たいと思っていた。今日への可能性を残す意味もあって(第1戦では)あの時間帯での交代となりましたし、ここまでできるようにしてくれたメディカルスタッフに感謝しています」

 開始15分には試合を動かしかけた。左サイドを攻め上がった荻原が、ゴール中央へ低く鋭いクロスを供給。FWホセ・カンテが収め、相手のプレッシャーを受けながら右側にいた早川へボールをつなぎ、利き足の左足からワンタッチで放たれたシュートがゴール右隅へ吸い込まれた。

「マリノスはクロスのときに中を閉めに来る、というのが情報としてあったので、自分はファーに残ることを意識していて、うまくカンテが収めてくれて『来た!』と思ったんですけど……シュートそのものも全然足に当たっていなかったし、自分としては外したかなと思ったんですけど」

 VARが介入した結果、ほんのわずかながらオフサイドポジションにいたと判定され、幻と化した先制ゴールに早川は思わず苦笑いを浮かべた。それでも、その後のコメントからは、痛みが再発する怖さを覚悟と決意とで覆い隠しながら、興梠慎三と交代する72分までプレーしていた跡が伝わってくる。

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