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Jリーグ 6か月前

「やっと来たか」大橋祐紀、ブレイクの理由。21戦13得点、湘南ベルマーレFWの変化【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「ここ最近だけ調子がいいというわけではない」

 開始3分に右足で先制弾を、36分には左足で追加点を決めた大橋は、60分に再び右足で湘南の4点目をゲット。J1の開幕戦では2006シーズンのFW柳沢敦(鹿島アントラーズ)、FW我那覇和樹(川崎フロンターレ)以来、17年ぶり6人目のハットトリックを達成した選手になった。余談になるが、記念すべき第1号はJリーグが産声をあげた1993シーズンに達成した神様ジーコ(鹿島)となる。

 さらに湘南の所属選手によるハットトリックは、平塚時代の1998年4月の呂比須以来、実に四半世紀ぶりの快挙だった。しかし、好事魔多し。川崎との第3節の前半終了間際に負傷退場した大橋は、右大腿二頭筋の肉離れで全治10週間と診断され、またもや長期離脱を余儀なくされた。

 ピッチに戻ってきたのは約3カ月後。リーグ戦だけで11試合におよんだ欠場をへて、アルビレックス新潟との第16節で途中出場を果たした大橋は、続く鹿島との第17節から名古屋戦まで17試合連続で先発。その間に10ゴールを量産して、トータル13ゴールで得点ランキングの5位タイに名を連ねている。

 日本人選手に限れば、22ゴールでトップに立つFW大迫勇也(神戸)に次いで、FW鈴木優磨(鹿島)とパリ五輪世代のFW細谷真生(柏レイソル)と並んでいる。大橋のなかで何が変わったのか。

「まあ、ここ最近だけ調子がいいというわけではないので、そんなにはないと思います」

 大橋本人はちょっぴり照れくさそうに、ほとんど変わっていないと強調する。ならば、周囲はどのように見ているのか。コーチ時代を含めて、2021シーズンから大橋を見ている山口監督は「周りを見て、周りを使えるようになった」と、プレースタイルの変化をブレイクしている理由にあげる。

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