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Jリーグ 6か月前

「賢くならないと」なぜ清水エスパルスは昇格に失敗? 繰り返した失敗と自ら招いた現実「キツイことを言いますけど」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「冷静になって考えたい」甘えと勝負弱さ



 とはいえ、今季の清水はJ2屈指の戦力を誇るチーム。チーム人件費も22億円だった2022年と同規模を維持しているという。一方の東京Vは近年5億円程度で推移しており、今季もそこまで金額を引き上げられなかったはず。つまり、強化費では4倍以上も優位に立っていた清水はそのアドバンテージを生かせなかったということになる。

「グラフに戦力を表せば、確かにウチは今、J2で抜きんでているかもしれないけど、サッカーはチームスポーツ。チームとして同じ方向を向いて迷いなくやるというところがすごく大事になる。みんなの力がかみ合った時に持っている力以上のものが出る。自分たちが本気でお互い要求し合えてやれていたのかというところはもう一度、冷静になって考えたい」と白崎凌兵は苦渋の表情を浮かべていた。

 資金面や選手層、環境、熱狂的サポーターの存在などで清水が東京Vより恵まれていたのは確か。その分、どこかに甘えがあったという見方も否定できないだろう。5年連続のシーズン途中の監督交代という厳然たる事実もある。やはり乾や白崎があえて苦言を呈したように、清水は抜本的なところから見直さないといけないのかもしれない。東京V戦の1-1のドローを単なる1試合と捉えていたら、最高峰リーグ復帰への道は遠のくばかりだ。

 J1優勝争いをしていた時代を知る人間から見ると、この現状を何とか打開してほしいところ。日本屈指のサッカーどころの名門クラブはいかにして這い上がるのか。勝負弱さを払拭し、勝てるチームに変貌していくのか。彼らの行く末が本当に気になる。

(取材・文:元川悦子)

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