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Jリーグ 3か月前

「遠回りに見えて近道」浦和レッズは何が変わったのか?沖縄キャンプで感じるJリーグ優勝への期待感【現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

試合数減と新戦力加入で生まれる新たな競争



 昨年は暮れのクラブワールドカップを含めて60試合を戦ったが、今年は最低で39試合、もしルヴァン杯をファイナルまで勝ち上がっても50試合に満たない。「今年は競争できるかなと思います」と酒井も笑顔で語る。

「去年は競争できるような試合数じゃなくて、みんなでカバーしていく試合数だったので。1週間に1試合になるようなチームの試合数になると言うことは、またちょっと去年と違う意識をしていかないといけないので。練習にパワーを注げる状況で、雰囲気もよくなっていくと思います」

 同じ右サイドバックで酒井に挑むのは湘南ベルマーレから加入してきた石原広教だ。アカデミー時代からお世話になった湘南で、象徴的な選手を目指していくことも考えていたという石原だが、浦和という日本を代表するクラブに挑戦することで、選手として少しでもレベルアップしていきたいという気持ちが上回ったという。その大きな理由がW杯3大会を経験した酒井の存在だ。

「自分の先を考えた時に、今だったら宏樹さんとか、世界でやってきた選手がいる。しかも、同じポジションでそういう選手と競い合えるという環境に身を置くことで、やっぱりサッカー選手としてだけじゃなくて、出られない状況だったりも発生するところでやる覚悟で、自分に壁を作るじゃないですけど」

 そう語る石原の表情からは、世間的には不可能と見られてもおかしくない挑戦に、ギラギラしていることが見て取れる。もちろん酒井も、そうした競争は喜んで受けて立つ思い出あるようだ。石原だけではない。センターバックには昨年のベストイレブンにも輝いたアレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンという二枚の巨壁がいる。そこに挑む強い姿勢を見せているのが、ガンバ大阪から加入した佐藤瑶大だ。

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