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Jリーグ 2か月前

「システマチックすぎる」浦和レッズ内部から聞こえるギクシャク感の要因。ヘグモ新体制に足りないものとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

興梠慎三が感じたギクシャク感の要因



 後半に入ってからもしばらくは形が作れなかったが、変化が起きたのは、61分に興梠慎三、岩尾憲、大畑歩夢の3枚が投入された後。彼らの有効な動きによって敵を揺さぶる形も増えてきたのだ。

「外から見ていて、アタッキングサードまで攻めが行っていないという気がした。横パスが多すぎて相手にハメられる場面が多いし、真ん中でコンビネーションを作らないと、数的優位を作れないし、いい攻撃ができないと僕自身は思っていた」と興梠もストレートに言う。

 そこで彼はクサビのパスを受けて、ワンタッチで落としてサイドに展開する意識を鮮明にした。それは岩尾や大畑も同様だった。この3枚替えとその後の中島翔哉の出場によって、リズムは確実によくなっていったのだ。

 さらに終盤は4-4-2にしてパワープレーに打って出た。1点を取るためにはなりふり構ってはいられないということだったのだろう。それが奏功したのが87分。左に開いた中島のクロスに興梠が飛び込み、こぼれ球に反応した大畑が相手右SB山越康平に倒され、PKをゲット。これをショルツが確実に決め、1-1にドローに持ち込むことに成功する。浦和としてはホーム開幕戦で勝ち点1を確保。最悪の事態を回避したと言っていいだろう。

 ただ、最終的に浦和のシュート数は6本にとどまっており、攻撃の迫力不足が大いに感じられた。これだけのタレントが揃っているのに、躍動感ある攻めを繰り出せないのは気がかりだ。そこは興梠も語っていた点だ。

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