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Jリーグ 2か月前

「僕がもっと…」ヴィッセル神戸の逆転勝利を呼び込む宮代大聖の献身。MF起用で担う新たなタスクとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「井手口陽介とは違う持ち味」宮代大聖が持つポテンシャルとは



 そんな神戸は開始早々の5分、武藤からパスを受けた宮代の思い切ったシュートが森重真人の手に当たり、PKを獲得。これを名手・大迫勇也が蹴ったが、助走時に芝生に足を取られ。まさかの失敗に終わった。

「ちょっと堅くて滑りやすかった。でも、そこは言い訳にできない」と絶対的エースは反省していた。

 こういったミスが起きるとチームの流れが悪くなりがちだが、経験豊富な面々の揃う集団はブレずにゴールへの推進力を出していく。そこで頭脳的な位置取りを見せたのが宮代だ。川崎フロンターレ時代まではトップかウイングでのプレーが多かった彼だが、少し下がり目の位置で中間ポジションに立ち、敵をかく乱し、貪欲にゴールを狙おうと試みたのだ。

「大聖は器用な選手だから、4-3-3の中盤もできるし、間で受けるのもすごい上手。陽介が入った時とは違った持ち味を発揮してくれる」と山口も発言する。確かに中盤が本職の井出や井手口に比べると、宮代が入った時の方がよりゴールへの推進力や迫力が生まれる印象だ。大迫と縦関係の2トップのような動きも多く、そこに武藤も絡んでくるから、守るFC東京守備陣としては、かなり圧力を感じたのではないだろうか。

 それでもゴールを割れずに0-0で試合を折り返した。神戸は後半開始早々の50分にリスタートの流れから小泉慶に押し込まれ、1点のビハインドを背負うことになってしまう。柏戦でもアクシデントのような形で失点し、そのまま敗れているため、嫌なムードが漂ってもおかしくなかった。

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