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Jリーグ 2か月前

FC町田ゼルビア、なぜこれほど強い。主将・昌子源が明かすその“原点”。「もう当たり前になっている」ことは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

FC町田ゼルビアはJ1首位も「本当に慢心がない」



「チームに関わる全員が常々言っていることですけど、本当に慢心がない。首位にいるからとか、J1でもけっこうやれている、と思っている選手が一人もいない。これは本当にすごいことだと思う」

 当たり前にできるプレーを、たったひとつでも絶対に疎かにしない。シュートブロックは黒田剛監督が求める一丁目一番地とも言えるプレー。昌子は直後の69分にも体を張って鳥栖の攻撃を阻止している。

 自身が放った縦へのフィードが味方に通らず、はね返しをバイタルエリアで富樫が収める。昌子がマークにつくも、背後のアラウージョへパスを通されてペナルティーエリア内へ侵入された直後だった。

 シュートモーションに入ったアラウージョへ、昌子がスライディングでブロックに飛び込む。これをかわしたブラジル人ストライカーは、すかさず左足を振り抜く姿勢に入る。しかし、昌子もあきらめない。再びスライディングでブロックを試み、今度は右足でシュートをはね返してみせた。

 この時点で町田が3-1とリードしていた。それでも、鳥栖がゴールネットを揺らせば試合の流れが変わりかねない。しかし、つかんだチャンスを昌子の2度のブロックで防がれた鳥栖は、その後は6分間のアイディショナルタイムを含めて、ほとんど反撃の糸口をつかめなかった。

 試合後の公式会見。鳥栖の川井健太監督の言葉がすべてを物語っていた。

「スコアがそのまま表れたかなと思う。町田さんの素晴らしさをほめるところが多々あった」

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