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Jリーグ 2か月前

FC町田ゼルビア、なぜこれほど強い。主将・昌子源が明かすその“原点”。「もう当たり前になっている」ことは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「4連勝はすごいと思われるかもしれないけど…」

明治安田J1リーグ、第5節でサガン鳥栖を下したFC町田ゼルビア
【写真:Getty Images】



「黒田監督だけでなく、ミョンヒさん(金明輝コーチ)を含めたコーチ陣が『こうしないと試合に出られない』と常に求めてくる。リザーブ組だけでなく、メンバー外になった選手の練習を見るコーチも含めて全員がそうなんです。メディアのみなさんは快進撃とかいろいろな書き方をされると思いますけど、僕自身は勝って当たり前のチームにしていきたい。確かにはたから見れば4連勝はすごいと思われるかもしれないけど、それを必然と思えるように、いままでやってきた取り組みを出している結果だと思います」

 勝って兜の緒を締めよと言わんばかりに、昌子はこんな言葉を紡ぐことも忘れなかった。

「今日もそうだったように、課題も多いと思います。ちょっと流れが悪い時間帯とか、失点してしまってからのトーンダウンというのは少し否めない、というところもある。相手ももちろんトップ・トップのプロですし、素晴らしいチームですし、そのなかでいかにしてピッチ内で修正できるか。これからより素晴らしいチームが待っているし、代表クラスの選手が多いチームと当たるなかで、そういう状況でいかに自分たちが、外からの指示を待たずにピッチ内で修正できるかが、ここから問われてくると思う」

 黒田監督は昨シーズンから「勝つ、イコール、守れる」を合言葉に掲げてきた。一発勝負のトーナメントが多い高校サッカー界で、青森山田を常勝軍団に育て上げた哲学と言っていい現実的な戦い方。それをプロの世界でもいっさいの妥協を許さずに求め続け、J2優勝と悲願のJ1昇格を手繰り寄せた。

 昌子をはじめとする新たなメンバーが加わったJ1の戦いでも方針はぶれない。破竹の4連勝で首位と無敗をキープしているなかで、5試合で喫した総失点は3と2番目に少ない。そして、4月3日の次節は最小失点の「2」を誇り、こちらも2勝3分けと無敗のサンフレッチェ広島をホームに迎える。

 さらに同7日には川崎フロンターレ戦が、13日には昨シーズンの王者・ヴィッセル神戸戦が待つ。キャプテン昌子の完全復活とともに4バックを基軸とする最終ラインをパワーアップさせ、さらに3バックも選択肢に加えた町田にとって、現在地を問われる3連戦がいよいよ幕を開ける。

(取材・文:藤江直人)

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