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Jリーグ 2か月前

22歳・染野唯月は「ひと皮むけつつある」。東京ヴェルディを勝たせるために。使われ続けている意味への自答【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

覚悟のPKキッカー志願



「自分に蹴らせてくださいとみんなにお願いして、PKを蹴らせてもらいました」

 意を決した染野の申し出を、キャプテンのMF森田晃樹をはじめとする仲間たちも受け入れた。清水エスパルスと対戦した昨年12月のJ1昇格プレーオフ決勝。試合終了間際に獲得した、決めれば天国、外せば地獄のPKをゴール右隅へ豪快に決めた染野なら決めてくれると、誰もが全幅の信頼を寄せた。

 そして今回も、ゴール右へ強烈な弾道を突き刺した。コースに反応した京都の守護神ク・ソンユンよりも早くゴールネットを揺らした直後。真っ先にボールを拾い上げた染野は、自陣へ素早く戻っていく過程でセンターサークルの中央にボールを置いた。絶対に勝つ、というメッセージを込めたと染野は明かす。

「いままで勝てていなかったので、何としてでも、という気持ちがありました」

 しかし、84分のチャンスで染野が放ったヘディングシュートは、ク・ソンユンにセーブされてしまった。5分が表示された後半アディショナルタイムの93分。最後といっていいチャンスが訪れた。

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