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Jリーグ 2か月前

22歳・染野唯月は「ひと皮むけつつある」。東京ヴェルディを勝たせるために。使われ続けている意味への自答【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

齋藤功佑とは「特に話さなくても…」



 齋藤が選択したのはグラウンダーのクロス。ク・ソンユンが飛び出せず、なおかつスライディングした染野が伸ばした右足の先で合致するコースを選んだ。そうしなければ宮本にクリアされるからだ。

「ソメも最後は足を投げ出して、体も投げ出して点と点で合わせてくれた。本当によく反応してくれた」

 アシストがついた齋藤が感謝すれば、染野も以心伝心の同点ゴールだったと続いた。

「本当にいいボールが来て、自分がうまく相手の裏を取って決められた。練習の段階から齋藤選手はあの位置を狙ってくるので、試合中に特に話さなくてもあそこに来る、というのはわかっていました」

 残されたわずかな時間で逆転を狙うとばかりに、ボールを拾い上げて自陣へ持っていったのはパワープレーで上がっていた谷口だった。さらに山見、ボランチの見木友哉、スローイン後に一気にスプリントしてきた森田、そして齋藤と染野以外に5人もの味方がペナルティーエリア内へ侵入してきていた。

 対する京都のフィールドプレイヤーは4人。体力を消耗しているはずの時間帯で、数的優位に立った末に生まれた同点ゴールを染野の背中が引っ張った、とヴェルディの城福浩監督も高く評価した。

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