[惜しくもW杯出場ならず]小国サッカー界の優等生、アイスランドサッカー成長の軌跡

2013年11月20日(Wed)10時51分配信

text by 長束恭行 photo Yasuyuki Nagatsuka
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シーズンは5~9月まで世界最短リーグ

[惜しくもW杯出場ならず]小国サッカー界の優等生、アイスランドサッカー成長の軌跡
ストヤルナンのサポーターはレイキャビクからやって来た。勢いはケプラヴィークのサポーターを上回る【写真:長束恭行】

 人口32万人の「火と氷の国」において、人気・実力ナンバー1のスポーツはハンドボール(北京五輪で銀メダルを獲得)。サッカーは二番手に甘んじているが、一部リーグ「ウルヴァルステイルト」は毎節1~2試合生中継され、どの試合でも報道陣が丹念な囲み取材をする。

 ケプラヴィークの監督は全ての質疑応答を終えるや別室に私を招き、温かいコーヒーを注いでくれた。監督の名はゾラン・ダニエル・リュビチッチ。ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のセルビア人だ。

 FKサラエボを離れてアイスランドに渡ったのが1992年。それから15年で6クラブに在籍し、引退後はケプラヴィークのユースコーチに転身。昨年からトップチームの監督に昇格した。

 難解なアイスランド語を流暢に操り、20年間同国のサッカー界に深く携わってきた彼にリーグ事情を聞き出した。「シーズンは陽のある5月から9月までと世界一短い。12クラブで2回戦総当り、すなわち22試合で結果を出さねばならないのは、指揮する立場として難しいよ。だが、暗い冬の間もチームの活動は続く。

 親善試合に加えて、2月から4月まで24クラブによるリーグカップが開催される。よって、相当数の試合がこなせるんだ」

 高緯度のアイスランドで年間通してサッカーを可能にさせるのは、豊かな競技施設だ。90年代後半から金融市場の自由化を推し進め、海外資産家に高金利の金融商品や不動産を売却することで好景気に湧いた国家は、スポーツインフラにも積極的に投資した。

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