[惜しくもW杯出場ならず]小国サッカー界の優等生、アイスランドサッカー成長の軌跡

2013年11月20日(Wed)10時51分配信

text by 長束恭行 photo Yasuyuki Nagatsuka
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女子サッカーが盛んなのも北欧ならでは

[惜しくもW杯出場ならず]小国サッカー界の優等生、アイスランドサッカー成長の軌跡
レイキャビクの国立スタジアム「ラウガルダルスヴォトルル」。サッカー協会のオフィスも2007年にここへ移設された【写真:長束恭行】

 例えば、レイキャビクの国立スタジアム「ラウガルダルスヴォトルル」は2007年に拡張工事を終え、1万5000人収容の立派な競技場に生まれ変わった。同じく各地に建設が進められたのが人工芝グラウンドやミニピッチ、そして真冬でも使える室内施設。全面に人工芝を敷いたフルコートサイズの室内サッカー場は90年代全く存在しなかったのに、今や国内8ヶ所に新築されている。

 その一つ、ケプラヴィークの室内サッカー場「レイキャネスヘトリン」を訪ねると、エリアを幾つも区切って子供たちがミニゲームとトレーニングに励んでいた。サッカー人口比は極めて高く、FIFA資料によるとアイスランドの競技者人口は3万2408人(うち登録競技者の割合が67%。日本の22%と比べれば数値が極めて高い)。

 女子サッカーが盛んなのも北欧ならではの特徴だ。ならば国民気質とサッカーの親和性はどうだろうか。ユース指導歴のあるリュビチッチ氏はこう説明する。「まずアイスランド人には規律があるし、根気もある。

 フィジカルや創造性といった面では旧ユーゴの選手より劣るかもしれないが、アスリートとしてのポテンシャルは高く、なにしろ彼らは才能を自ら伸ばせる精神力を備えているんだ。ユース代表が既に成功を収めたことも私は納得しているよ」

 A代表はW杯やユーロにいまだ手が届かないが、FWコルベイン・シグソールソン(現アヤックス)やMFギルフィ・シグルズソン(現トッテナム)を抱えるU-21代表が予選で強豪ドイツを4-1で粉砕し、一昨年のU-21欧州選手権本選に初出場した。

 昨年は5年ぶりにU-17欧州選手権本選にも進出。人口ではルクセンブルク(約49万人)やマルタ(約41万人)さえ下回り、UEFA加盟国53ヶ国中49位にもかかわらず、国外にタレントを次々輩出しているアイスランドは「小国サッカー界の優等生」と言える。

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