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日本代表 6年前

本田のボール運び、宇佐美は日本のリベリになれるか。ガーナ戦で期待したい2シャドー【宮澤ミシェルの独り言】

シリーズ:宮澤ミシェルの独り言 text by 青木務 photo by Junichi Ebisawa , Getty Images

不安を抱えたままでは勝負にすらならない

 合宿で原口は、ウイングバックでも起用されている。走れる選手だし素晴らしい選手だけど、リスクはあるよね。アウェイで行われたワールドカップ アジア最終予選のオーストラリア戦で、戻りながらファウルしてPKを取られた。あれを見るとやっぱり、守備者ではないよね。守備の選手はあそこでPKを取られたらマズイと思うから慎重に対応するけど、原口はそのまま当たりに行ってしまった。彼をサイドに置いた時のいい面はたくさんあるし、日本が優勢に戦えている時はいいと思う。ただ、後ろでのプレーで守らせるとなると、色々なことが起きてしまう可能性もある。

 プレスをかけるということは、リスクを負わなきゃいけない。それが本当に3枚でできるのか、難しいトライではある。相手のFWが裏を狙う動きをすると3バックは引き始めるし、そうなるとその前に広大なスペースが生まれてしまう。ウイングバックも戻りきれない。だったら5枚になると割り切って、後ろでしっかりコンパクトに守る。やることはたくさんあるし、臨機応変にやらないといけない。

 2010年の南アフリカワールドカップでは、本番直前に[4-3-3]になった。その意味では今も似たような状況と言える。このメンバーで、できないことはないよ。やりやすいという気持ちを選手たちが持てたら、本番は迷いなくこれで行けるよ。質が低い選手たちじゃないから。

 対戦相手が強いこともわかっているから、守る覚悟はできるよね。試合前から『今日は大変だぞ』という気持ちで臨むから。『行けるぜ』なんて思う余地がない。『大変だけど、それでもやるんだ』と。もちろん守備一辺倒じゃなくて攻めなきゃいけないんだけど、守る覚悟はすでに準備できていると思う。

 ガーナ戦を含めて、コロンビアとの初戦まで3試合ある。そこで日本がすべきは、不安なく『よし、これで行こう』って一つにまとまることだ。不安を残した状態で臨んだらやられる。自信を持ってワールドカップの舞台に立つ。そこからが勝負だよ。

▽語り手:宮澤ミシェル
1963年7月14日、千葉県出身。Jリーグ黎明期をプレーヤーとして戦い、94年には日本代表に選出された経験を持つ。現役引退後は解説者の道を歩み、日本が出場した過去5大会のワールドカップを現地で解説している。様々なメディアで活躍。出演番組にはNHK『Jリーグ中継』『Jリーグタイム』、WOWOW『スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』などがある。

【了】

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