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Jリーグ 5年前

槙野智章はW杯でも燃え尽きない。指揮官との約束から5ヶ月…天皇杯優勝への不退転の決意

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「来季のアジアの舞台に返り咲く」

オズワルド・オリヴェイラ
オズワルド・オリヴェイラ監督は天皇杯を獲得するために槙野智章の力を必要とした【写真:Getty Images】

 Jリーグ勢のなかで鹿島だけがグループリーグを突破。決勝トーナメントを勝ち進んでいった軌跡を、一抹の悔しさを抱きながら応援していたと槙野が明かす。

「アジアチャンピオンとして次の年(のACL)に出ていないという不甲斐なさもありましたし、逆に鹿島アントラーズがしっかりと優勝したことで、僕たちもたくさんの刺激をもらいました。やっぱり次は自分たちが、と思いましたので。とにかくアジアの舞台に立ってこそ、個人的にもそうですし、チームとしても成長する環境があるので」

 ロシアワールドカップに伴う中断期間に突入した時点で、浦和は14位に低迷していた。首位を独走するサンフレッチェ広島には、実に20ポイントも引き離されていた。中断期間に行われたYBCルヴァンカップのプレーオフでも、浦和はJ2のヴァンフォーレ甲府に苦杯をなめていた。

 堀孝史前監督に代わり、4月から指揮を執るオリヴェイラ監督が、獲得の可能性があるタイトルとして天皇杯に照準を定めたのは当然の流れだった。しかも、Jリーグの2位および3位がプレーオフから出場するのに対し、天皇杯を制すれば来季のACLに本戦から参戦できる。

 槙野が何度も「来季のアジアの舞台に返り咲く」と決意を発し、言霊に変えたのも天皇杯の先に待つACLを見据えていたからに他ならない。そして松本山雅に続き、4回戦で東京ヴェルディを1-0で、準々決勝ではサガン鳥栖を2-0で下した浦和は5日の準決勝で、宿敵・鹿島と激突した。

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