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中田英寿、中村俊輔、本田圭祐、長友佑都、香川真司…あの時代、誰と定位置を争い世界に名を轟かせたのか? その激闘の記録【編集部フォーカス】

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

中田英寿(2000/01シーズン)

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ローマ時代の中田英寿氏。トッティに代わってピッチへ【写真:Getty Images】

MF:中田英寿
生年月日:1977年1月22日
00/01シーズン所属クラブ:ローマ
当時のライバル:フランチェスコ・トッティ

 ペルージャで大車輪の働きを見せた中田英寿にはヨーロッパ中が関心を示した。そして、1999/00シーズンの途中にローマへステップアップを果たすことに。中田にとって初めてのビッグクラブ挑戦だった。

 ファビオ・カペッロ監督に認められたものの、主戦場はボランチ。トップ下はロマニスタのアイドル、フランチェスコ・トッティのものだった。00/01シーズンは外国人枠の関係で出場機会が減少。スクデット獲得へまい進するチームにあって、プレーで貢献する機会は限られた。それでも終盤戦に大仕事をやってのける。

 第29節・ユベントス戦で、敵地に乗り込んだローマは前半立ち上がりに2失点を喫する。最悪でもドローで終えたいローマは60分、王様トッティに代えて中田を投入。そして79分、タッキナルディからボールを奪った中田は、自ら持ち込み強烈なミドルシュートを突き刺した。さらにアディショナルタイムにもGK強襲のシュートを放ち、こぼれ球をモンテッラが押し込み同点に追いついた。ここで踏みとどまったことで、ローマはリーグ制覇に大きく前進した。

 トッティからポジションを奪うことはできなかったが、その10番と交代で出場した試合で中田はヒーローとなった。そもそも、あの時代のトッティとポジションを争ったという事実が、中田英寿の偉大さを物語っている。

【了】

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