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Jリーグ 4年前

東京五輪世代で選ぶJリーグベストイレブン。キャパシティを増やした上田綺世、三笘薫は規格外【後編】

明治安田生命Jリーグは全日程を終え、22日のJリーグアウォーズではベストイレブンを含めた各賞の受賞者(クラブ)が発表されている。東京五輪に向けたU-23日本代表候補のトレーニングキャンプでは9人が初選出を果たしており、今年台頭した若手選手も多い。今回は今季のJリーグで活躍した東京五輪世代(1997年1月1日以降生まれ)でベストイレブンを組んでみた。(文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

中盤には2人の大卒ルーキー

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河治良幸氏が選ぶ東京五輪世代(U-23)のJリーグベストイレブン

 中盤は100人いれば100通りの人選があるかもしれない。それぐらい候補は豊富だが、インパクトとシーズンの安定感を兼ね備える3人を選んだ。もっとも山本悠樹はいきなり主力を掴んだわけではなく、J1での初スタメンは第14節だった。しかし、そこから中盤のアンカーに定着すると、長短のパスワークと守備のバランスワークでガンバ大阪の躍進を幅広く支えた。

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 安部柊斗は大卒ルーキーでありながら開幕前のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でいきなりインパクトを放った。東慶悟の長期離脱、橋本拳人のロシア移籍といった困難な状況の中で、FC東京の主軸としてフル稼働している。持ち前の運動量と球際の強さに加えて、課題にあげていたゴールに直結するプレーも確かな進歩を見せている。東京五輪候補にも初選出され、さらなる飛躍が期待される一人となるだろう。

 田中碧は開幕前のキャンプで取材したが、4-3-3というシステムのアンカーとインサイドハーフという2つのポジションにトライしており、チームの中でも最も多様な役割が求められた一人だった。

 中断明けからは守田英正がアンカーで攻守の要を担い、田中碧はインサイドハーフから攻撃に幅広く関わる役割が強くなった。基本技術の高さに加えて、多彩なパスワークに縦の推進力を加えるなど、アクセントとしての効果は多大だった。

規格外だった三笘薫

 三笘薫はMFとしてあげたが、実際は3トップの左ウイングがハマり役だろう。もともと本人は攻撃的なポジションであればどこでもこなせると語っていたが、変幻自在の高速ドリブルで左サイドを打開し、およそ左45度からグラウンダーのシュートでゴールを襲う形は何度も見られた。“三笘ゾーン”というイメージもすっかり定着している。

 その一方で、ボールが無いところの動きも見事で、右サイドの家長昭博や山根視来が作ったチャンスを左から仕留めるシーンも多かった。スタメンで出てももちろん危険だが、前半で接戦に持ち込めていても、後半から三笘が入ってくるシチュエーションはどの対戦相手にも脅威だったはずだ。注目すべきはかなり警戒された後半戦にも勢いが止まらなかったこと。Jリーグでは一部の外国籍選手と同等に規格外の存在だったと言っていい。

キャパシティを増やした上田綺世

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【写真:Getty Images】

 FWは純粋なゴール数にフィニッシュのインパクトを加味して、上田綺世と林大地を選出した。上田に関しては誰がベストイレブンを選んでも、かなりの割合で入るのではないか。なかなかゴールが決まらなかった時期はある種”産みの苦しみ”を味わったようだが、その時にいろいろ考えたことが選択肢を広げ、結局はゴール量産につながったようだ。「上田綺世としてのキャパシティを増やした1年だった」と本人も振り返る。

「僕が走っても出てこないことの方が多く、動き出しが空振りに終わる。少ない時間でその数を増やしても評価は上がらない。守備やポストプレーに重きを置きながら、動き出しで点を取ることは大事ですけど、監督が思ってなかったところで効果的な動きができれば」

 つまり最大の強みと自負する動き出しのところばかりやっていても、思うようにボールが出てこないとフィニッシュにつなげることもできない。その前にチームで求められる守備やポストプレーをしっかりとこなしながら、流れの中で機を見て得意の動き出しを見せるという意識に切り替えたということ。ミドルシュートを狙うシーンが増えたのもその1つであるようだ。

 来年の目標の1つとして当然、東京五輪はあるが、「選ばれるのも自分のチームでの活躍があってこそ。いくら五輪に出たくてもチームで結果を残せない、周りに評価されないんじゃ出られない」と冷静に語る。上田が来シーズンのJリーグでさらなる進化を見せるか期待される。

途中出場から6得点を挙げた林大地

 林大地に関しては他の選手たちと少し異なる基準で選ばせていただいた。先発出場は10試合しかないが、9得点を記録。途中出場からのゴールが6もあった。5人交代制になり、試合を始める選手に加えて、終える選手の役割がより重要さを増したシーズンだったが、その象徴的な選手と言える。特別大柄なわけではないが、縦の鋭さ、迷いなく振り抜くシュートは強烈だった。

 順調なら来シーズンは間違いなくスタメンのチャンスが増えてくるはずだ。途中から出た時と遜色ない、もしくはそれ以上のインパクトを残すことができるか。そこが本当の意味でのポイントになりそうだ。

 またカテゴリーの違いがあるので11人には入れなかったが、J2でも多くの若手が台頭した。15試合無敗など、破竹の躍進で悲願のJ1昇格を果たしたアビスパ福岡では、DF上島拓巳、FW遠野大弥、夏にサンフレッチェ広島から期限付きで加入した松本泰志がセンターラインを支えた。

 優勝した徳島ヴォルティスではボランチから攻守に絡んだ渡井理己と1トップで17得点を記録したFW垣田裕暉の存在感が絶大だった。

 また惜しくも昇格を逃したV・ファーレン長崎ではFW登録ながら右サイドバックとして新境地を開拓した毎熊晟矢のブレイクも見逃せない。

 昇格組ながら5位に躍進したギラヴァンツ北九州も若手の台頭が目立った。9得点の高橋大悟は持ち前の技術とセンスを駆使して、チャンスメイカーとしても重要な役割を果たしている。

 J3では藤枝MYFCのFW吉平翼をあげる。チームは10位に終わったが、レギュラーではない立場からチャンスをものにして11得点を記録した。もともと大分トリニータのアカデミー時代から期待された選手だったが、厳しい環境の中で結果を手繰り寄せたフィニッシュに磨きがかかることで、トップレベルでの活躍へ道が開けるのかもしれない。

(文:河治良幸)

【了】

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