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Jリーグ 2年前

なぜ移籍? 浦和レッズ加入の犬飼智也が抱く野心。「犬飼病」と揶揄された若者は、どのように頼れるCBになったのか【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

偉大なる先人の背中



 しかしながら、ACLやFIFAクラブワールドカップといった重要な大会に帯同し、独特の緊張感を味わったのは貴重な経験と言っていい。そのクラブワールドカップでは小笠原の現役ラストマッチとなった3位決定戦・リーベルプレート戦に先発。常勝軍団の意地とプライドを示す偉大な先人に胸を打たれたことだろう。

 自覚を深めた翌2019年からはレギュラーに定着。ともに最終ラインを担った内田からもさまざまなことを学び、逞しさを増していった。

 年を追うごとに町田浩樹、関川郁万ら若手とコンビを組むケースも増え、「自分が引っ張らなければいけない」という意識も高まった。そういった統率力やけん引力は反町監督に怒られていた頃の犬飼には見られなかったこと。心身ともに成長した今だからこそ、あえて浦和で勝負したいと思えたのかもしれない。

「今年は29になる年。そういう面を含めて、浦和は僕にオファーをしてくれた。自分はチームがよくなるようなアクションを起こしていきたいし、喋ることもそうですし、普段の練習や生活面でもそういう存在でなければいけないと思っています。浦和を背負う覚悟を持ってきたので、リーダーシップを持ってやりたいです」

 こうキッパリと言い切ったあたりが頼もしさを感じさせる。槙野智章に代わる新たな最終ラインのリーダーとして、リカルド・ロドリゲス監督や西野努テクニカル・ダイレクターからの期待も大きいはずだ。

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