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Jリーグ 2年前

横浜F・マリノスは「タイトルに一歩近づいた」。スタイルと融合する背番号30の持ち味、サッカー日本代表に呼ばない手はない【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

サッカー日本代表に呼ばない理由はない。ただ…



 前述の通り、本人は2列目でプレーした方がよさを出しやすいと考えているが、今の日本代表に必要なのは最前線を担える人材だ。上田が移籍し、185cmの長身FW町野修斗が負傷離脱した今、起点となれる選手の発掘は急務の課題と言っていい。西村にそういう仕事を求めた時、十分に能力を発揮できるか否かは未知数だ。

 しかも、マリノスのように周囲と連係が取れている状況であればともかく、代表となれば共闘経験の少ない面々とのプレーが求められる。そこで自身が輝くとしたら何が必要なのか。CSKAモスクワやポルティモネンセなどの海外経験を踏まえながら、本人も徐々にイメージ作りを進めていくべきなのかもしれない。

 そういったマイナス面を差し引いても、異彩を放っている今の彼を代表に呼ばない手はない。1試合14km超という驚異的な走行距離を記録できるアタッカーはそうそういない。攻守両面でチームに爪痕を残せるはずだ。4カ月後のカタールW杯の滑り込むは難しくても、25歳の彼にはその先がある。

 思い返してみれば、森保ジャパンのエースに上り詰めた伊東純也も2017年12月のE-1で初キャップを飾り、5年後のW杯へとつなげている。西村も同じ軌跡を辿る可能性は少なくない。だからこそ、今はマリノスをタイトルへ導くことが肝要だ。

 今回の広島戦でリーグ戦の連勝を6の伸ばし、2位・鹿島アントラーズとの差を5に広げたが、ここからはセレッソ大阪、サガン鳥栖、鹿島、川崎フロンターレという上位対決が続く。まずは直近のセレッソ戦に照準を合わせ、得点を重ね、代表入りを確実にしてほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

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