「より積極的に攻めようとした日本とコートジボワールは、だが最後には敗れている」
――要するに、コートジボワールと日本が敗れたのも、その本質的とされる部分を欠いていたのが最たる理由であると?
「あるいは一定の根拠になり得るであろうという私見であって、もちろんそれが絶対だとは言わない。当然、それがすべてでもない。
ただ、コートジボワールと日本に共通する何かがあったとすれば、それは彼らが“より攻撃に比重を置いていた”という部分。もちろん、それはギリシャとの比較という意味ではあるのだが。より積極的に攻めようとした日本とコートジボワールは、だが最後には敗れている。その積極性はもしかすると過度だったということなのか。
一方で、“そうではない”、むしろ“より消極的”であったとさえも言えるギリシャは、ベスト16に駒を進めるという言わば快挙を成し遂げては、それだけでなく、その決勝T1回戦でもまたもうひとつの快挙を成す寸前にまで行ってみせた。
コスタリカに敗れたとはいえ、それはあくまでもPK戦によるもの。5割の確率で勝つチャンスがあったということになる。だが彼らは敗れた。グループリーグでの戦い方とは異なり、“より積極的に”攻めたギリシャが敗れ、わずか1本のシュートを放ちそれを決めたコスタリカが最後には勝利を収めている。
矛盾と言えばそうなのだろうが、しかしこれもまたサッカーだ。いや、これこそがサッカーであると、そう言うべきなのだろう。勝利するためには実に様々な方法がある」