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元イタリア代表監督が語る日本の敗因。「守備があまりに脆弱。前と後ろでまるで別なチーム」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Getty Images

「(コロンビアは)勝てるチームの典型的なパターン」

元イタリア代表監督が語る日本の敗因。「守備があまりに脆弱。前と後ろでまるで別なチーム」
ハメス・ロドリゲスもまたその才能をこれ以上ない形で披露してみせた【写真:Getty Images】

「その意味で、確かにコロンビアは今大会で3戦3勝を成してみせたとはいえ、また、彼らの実力が数段上のレベルにあったのも確かなんだが、それでも試合を落とすリスクはそこらじゅうにあったと言えるはずだ。

 タラレバを今にして言うのが無意味だとしても、仮に初戦のギリシャ戦を落とすか、あるいは引き分けていれば後の流れはまったく別のものになっていただろう。重要なのは、彼らが試合を追う毎に強くなっていったという事実だ。勝てるチームの典型的なパターンとも言える。

 初戦の勝利に驕らず、むしろ勝つことで派生する慢心を、それと同時に派生するエネルギーによって掻き消しては次の試合へ臨んでいる。ファルカンの故障で“サプライズ”の座を放棄せざるを得ないのだろうと、そう大会前には言われていたんだが、その潜在力は私を含む周囲の予想を遥かに超えていた。

 クアドラードは実力を余すことなく発揮し、そしてハメス・ロドリゲスもまたその才能をこれ以上ない形で披露してみせた。のみならず後ろ(守備陣)もいい。イェペスやザパタといったベテランが、実力者たちが、それこそ例の“強靱性”を担保する役を担い、中盤も攻守に渡って質が高い。

 戦術的にはこれといった新しさはない。そのサッカー自体が“スペクタクル”かと言えばそうでもない。たが、最も肝要な攻と守の“バランス”に彼らは優れている。つまり、彼らは“普通に良いサッカー”をやっている、と。そこへ例のあのハメスという本物の才能が彩りをつけている。

 今日は7月3日。明日4日が準々決勝VSブラジル。もちろん極めて難しい相手だが、今大会のコロンビアであれば“あるいは”やって見せるかもしれない。その可能性は低くはないと見る。もしもブラジルに勝つようなことがあれば、もうその先はすべてが可能だ(編注:コロンビアはブラジルに2-1で敗れた)」

【了】

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