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元イタリア代表監督が語る日本の敗因。「守備があまりに脆弱。前と後ろでまるで別なチーム」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Getty Images

「“勝てる試合”に勝てなかったことで上に行く可能性を失ってしまった」

――端的に、日本代表は“どこで”グループリーグ突破の可能性を失ったとお考えですか?

元イタリア代表監督が語る日本の敗因。「守備があまりに脆弱。前と後ろでまるで別なチーム」
“勝てる試合”に勝てなかったことで日本代表のブラジルW杯は終わっていた【写真:Getty Images】

「これは私に問うまでもなく、誰もが見解を一致させるところだろう。VSギリシャ。第2戦。それこそ私たちイタリアの代表がそうであったように、もっともイタリアはその2戦目を0-1で落とし、一方の日本は引き分けてはいるんだが、初戦を落としていた日本は、やはりあの“勝てる試合”に勝てなかったことで上に行く可能性を失ってしまった。

 前半にして10人となったギリシャに対し、日本は果敢に攻めるも最後まで決定機を作れなかった。そして、その時点で日本代表のブラジルW杯は終わっていた。

 さらに言えば、先ほども触れた守備の強靱性という意味において、初戦のVSコートジボワールで、まさにその“惰弱性”が露呈したとも指摘されるべきだろう。繰り返し言っておきたい。

 あれだけのポテンシャルを攻撃面に備えているのだから、それを可能な限り生かすためにこそ彼らは守備の力を、いわゆる予防的カバーリングのスキルを今よりも高めるべきだと私は思う」

――では、最後にコロンビアについて。彼らの実力からすればグループCは「余りに容易だった」との見方さえありますが。

「それをいつ誰がどこで言ったのかは知らないが、おそらくは、いや100の確率でそれは結果論。3戦目が終わった後に出てきた見方に過ぎなのではないか。容易なグループリーグなどW杯にはひとつとして存在しないからだ。

 たとえば、94年W杯を選手として戦った私は、決勝にまで駒を進めたイタリア代表にとって、あのグループリーグがどれほど難しかったのかを当然のことながら知り抜いている」

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