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日本代表 10年前

真の“カメレオン”への第一歩だったウルグアイ戦。特定の戦術にこだわらないアギーレ監督の狙い

text by 河治良幸 photo by Getty Images

練習で試していない4-4-2に変更したワケ

 固定的なスタイルを貫くのではなく、試合や状況に応じて「ポゼッションをどこまで意識するのか」「高い位置からプレスをかけるのか」「ブロックを築くのか」といった戦術的な設定をして試合に臨んでいく。“臨機応変”という表現が一般的に当てはまるだろうが、ある意味で“スタイルなきスタイル”と言っていいだろう。

 前指揮官の言葉を借りるならば“カメレオン”を地で行くようなサッカーだ。ウルグアイ戦の途中で4-3-3から「練習でやっていない」(細貝)という4-4-2に変更したのは象徴的だが、システム変更だけではなく、試合の進め方まで対戦相手、さらには試合展開や時間帯で変わってくるということだ。

 ウルグアイにはカウンター志向の強い相手にある程度ボールを持たせ、彼らが本質的に得意ではない状況を生んだことは確かだ。相手も監督が来日できず、何人かのフレッシュな選手が入った状態とはいえ、全体としては昨年8月の同カードよりもウルグアイにとってはやりにくかったのではないか。ただ、それだけに選手間のバラツキや手探りの部分がプレーの甘さとして表れてしまった。

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