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Jリーグ 1年前

2023年J1全18クラブ補強評価ランキング。Jリーグ各クラブのパワーアップを格付け!

シリーズ:Jリーグ補強評価ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

ヴィッセル神戸


補強評価:E
昨季順位:13位

 復調して上昇気流に乗った昨季後半戦にゴールマウスを守ることの多かった飯倉大樹が退団し、実績のあるGKは前川黛也1人になった。小林友希のセルティック移籍、槙野智章の現役引退により、昨季は怪我に苦しんだ菊池流帆と今季から完全移籍に切り替わるマテウス・トゥーレルが中心になる。本多勇喜が京都サンガから加わったものの、選手層にやや不安を抱えるため、大﨑玲央が最終ラインでプレーする機会も増えそうだ。

 サイドバックは昨季印象的な活躍を見せた飯野七聖と、盤石の信頼感を得る酒井高徳がおり、攻撃的な初瀬亮、守備的な山川哲史というカードも控える。

 中盤の質は厚い。アンドレス・イニエスタとセルジ・サンペールはフル稼働こそ難しいが、齊藤未月の加入により柔軟な起用が可能になるはずだ。しかし、東京ヴェルディから加入した井出遥也が主力を休ませる活躍ができなければシーズンを戦い抜くのは難しいかもしれない。

 前線は大迫勇也、武藤嘉紀、汰木康也を軸に、新戦力加入で戦力の底上げを図る。ジェアン・パトリッキと川﨑修平はジョーカー役としても力を発揮できるだろう。大学サッカー界屈指のドリブラー泉柊椰も楽しみな存在ではある。

 全体的に見て他クラブと比べると、物足りない印象を受ける。GKやセンターバックは層が薄く、酒井、イニエスタ、大迫などクオリティ面で欠かすことのできない選手も多い。シーズンを通して彼らが欠けたときにどう戦うか、吉田孝行監督の戦術的な引き出しの質が問われる。

ヴィッセル神戸 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退

横浜FC

補強評価:E
昨季順位:J2・2位(昇格)

 決して簡単ではない1年でのJ1復帰を実現させた横浜FCは、20人の新加入選手を迎え入れて今季に臨む。スベンド・ブローダーセンが君臨するGK陣には、Jリーグ通算140試合出場の経験がある永井堅梧を加えた。CBも吉野恭平とンドカ・ボニフェイスが加わり、競争は激しくなりそうだ。イサカ・ゼインの川崎フロンターレ復帰は痛手だが、橋本健人の加入は亀川諒史のポジションを埋めるのに十分な能力を持つ。

 中盤には井上潮音、三田啓貴、ブラジル出身のユーリ・リマ・ララが加わった。三田はJ1での経験も豊富で、ララは19年に栃木SCで日本を経験している。昨夏に抜けた手塚康平の穴は埋まったと見る。

 長谷川竜也が攻撃陣の軸となるはずだが、競争は熾烈だ。海外を経験した新井瑞希や小川慶治朗が加わり、ロアッソ熊本の躍進の一翼を担った坂本亘基は左サイドの有力候補になるだろう。ブラジル人の新加入FWマウリシオ・カプリーニ・ピントやベトナムの逸材グエン・コンフオンらは未知数であるものの、化ける可能性もある。山下諒也やレノファ山口から加入した高井和馬など候補者が多い。

 小川航基は昨季得点王に輝く最高の1年を送ったが、J1での実績はほとんどない。勝負のシーズンで結果を残せるかどうかがチームの浮沈にかかわる。新戦力はいないが、右アキレス腱断裂から復活を目指すサウロ・ミネイロ、2シーズン目に臨む20歳のマルセロ・ヒアンの成長などに期待することとなる。

 大きな戦力ダウンはないが、J1で小川が活躍できるか、外国人選手の加入など不確定要素が大きいのが懸念材料だ。上手くハマれば残留は十分可能だが、相対的な評価は決して高くない。


横浜FC 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退

アビスパ福岡

補強評価:E
昨季順位:14位

 GK陣には叩き上げの坂田大樹がいわきFCから加わり、村上昌謙や永石拓海が中心となる構図は大きく変わらない。センターバックも宮大樹、奈良竜樹、ドウグラス・グローリの3人で4バックにも3バックにも対応できる。昨季31試合に先発した志知孝明の移籍は痛手で、本職左サイドバックは横浜FCから加入した亀川諒史1人に。湯澤聖人と前嶋洋太が争う右サイドバックも昨季以上の活躍が必須となる。

 中盤には前寛之と中村駿という不動のコンビが君臨するが、昨季の中村のように長期離脱があるようだと不安のあるポジションだ。右サイドはジョルディ・クルークスが抜け、FC東京から紺野和也が加入。クロスを特長とする前者からドリブルを武器とする後者に代わることがどのような影響を与えるかに注目しなければいけない。サイドは金森健志、田中達也あたりもいるが、ライバルクラブと比較しても駒不足は否めない。

 得点力不足の解消を狙って獲得したのは、東京ヴェルディでの直近2シーズンで26得点を記録した佐藤凌我だ。昨季10得点と輝いた山岸祐也との連係が構築されれば希望は見いだせる。あとは既存戦力であるジョン・マリとルキアンのクオリティに期待するしかないところがやや苦しい部分でもある。

 守備陣に大きな変化はないので、自慢の堅守は健在だが、サイドの選手層の薄さが致命傷になる恐れがある。佐藤や亀川、紺野の加入は抜けた穴の応急処置に留まっており、既存戦力の底上げがなければ昨季より苦しむことにもなりかねない。

アビスパ福岡 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退

【了】

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