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Jリーグ 1か月前

なぜ通用しなかった? FC町田ゼルビアの武器を封じた方法とは。無敗対決を制したサンフレッチェ広島の自己流【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

相手の動きが見えていた満田誠



「最初はドリブルで運んでシュートを打とうかなと思いましたけど、相手も足が止まっていて、ボールウォッチャーになっていたので。ゴールに近い位置にいた大橋くんへ、落ち着いてパスを通しました」

 自軍のゴール前とあって、無意識のうちに激しいプレーをためらったのか。満田の前方にいたチャン・ミンギュ、ボランチの仙頭啓矢が間合いを詰めてこない。満田はすかさず2人の間を通すパスを選択。大橋が半身の体勢から左足で受けたボールは右足、さらに左足に当たって自身の前方に弾んだ。

「マコ(満田)がシュートを打つかなと思っていたなかで、僕へのパスに切り替えてくれた。ゴールが近かったので、最初はファーに流そうかなと思っていたんですけど」

 自身の足の間で弾んだボールを、最後はニアへ突き刺した豪快な一撃。大橋が4試合ぶりに決めた今シーズン4点目は、未知の舞台であるJ1に挑む町田が、開幕から6試合目で初めて喫した先制弾だった。

 リードを2点差に広げた55分の満田のPKも、広島らしさが凝縮されたプレーでもぎ取った。

 敵陣でセカンドボールを回収したキャプテン、DF佐々木翔のプレーをきっかけに広島がペナルティーエリア内へ攻め込む。満田が突っかけたこぼれ球を拾い、波状攻撃を仕掛けた佐々木が途中出場のMF下田北斗に倒される。そのまま流された直後にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入した。

 OFR(オンフィールド・レビュー)をへて、小屋幸栄主審が判定を変更してPKを宣告した。倒された瞬間からPKを確信していた佐々木は、勝利をほぼ不動のもののしたPK獲得をこう振り返った。

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