黒田剛監督の反省「その割にはなかなか…」
「ジャッジするのはレフェリーですし、VARがあるなかでしっかりと映像を見て決断されたと思うので、僕がとやかく言うところではないですけど、チームとしてああいったところ、こぼれ球を拾いながら前へプレーを進められたところが(PKに)繋がったのかなと思っています」
一方で破竹の連勝を「4」で、開幕からの連続無敗試合を「5」で止められた町田は、なぜミラーゲームで挑んだのか。完全な3バックではない、と断りを入れながら黒田剛監督はこう語っている。
「相手をつかみやすくする、というところを含めて、できるだけいい景色で臨んだんですけど……その割にはなかなか前から激しくいけなかったところも含めて、多くの反省点を残した試合でした」
左ウイングバックの林が左サイドバックの位置に下がるなど、町田は状況によって[4-4-2]で戦う時間帯もあった。ただ、一般的にミラーゲーム戦法のメリットとして、格上の相手と対戦する際に優劣がつきにくい展開があげられる。その意味で、黒田監督が必要以上に広島を意識していた点は否めない。
サガン鳥栖との前節で、町田の全ゴールを導く3アシストをマークしたMF平河悠が言う。
「体感的にもプレッシャーが一番早かったし、相手を前から潰せなかったケースが多かった分、プレスバックする回数も多くなった。僕たちがやりたいサッカーがなかなかできず、(自分たちの)ファウルになるとかフラストレーションも溜ったなかで、難しいゲームになってしまった、という印象です」
ボールを奪った広島はカウンターに加えて、スキッベ監督のもとで標榜してきたワンタッチを多用した素早いパスワークも駆使。球際の激しさとプレスで対応しようにも翻弄された町田が、4枚のイエローカードをもらったのは必然だった。平河とともにパリ五輪世代に名を連ねる藤尾も言う。