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日本代表 7年前

ハリルJ、最終予選で台頭した新戦力。ベテランの巻き返しも期待。W杯に向けた新たな競争

8月31日、ロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦に臨み2-0で勝利した日本代表。勝てばW杯出場権獲得となる状況でヴァイッド・ハリルホジッチ監督は本田圭佑や香川真司をスターティングイレブンから外し、井手口陽介や浅野拓磨ら若手選手を抜てき。大一番で起用された新戦力が期待に応えゴールを奪った。本大会出場を決め、さらなる底上げが期待されるいっぽう、まだまだベテラン選手の力もチームには必要だ。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

試合前の悲観的見解を一蹴

オーストラリア戦でゴールを奪った井手口陽介と浅野拓磨
オーストラリア戦でゴールを奪った井手口陽介と浅野拓磨【写真:Getty Images】

 2018年ロシアワールドカップ出場権を賭けた31日のオーストラリアとの大一番(埼玉)。本田圭佑(パチューカ)、香川真司(ドルトムント)を揃って外し、山口蛍(C大阪)と井手口陽介(G大阪)をインサイドハーフ、浅野拓磨(シュツットガルト)と乾貴士(エイバル)を両サイドアタッカーに据えるというヴァイッド・ハリルホジッチ監督の決断には、大きなリスクが伴った。

 山口が「陽介と一緒に組んだら面白そうやな」と話してはいたものの、実際にコンビを組むのは全く初めて。最終ラインを統率する吉田麻也(サウサンプトン)が「つなぐタイプの選手がいなかったんで、正直どうなるかなという懸念が僕の中にはあった」と本音を吐露したが、それはチーム全体に共通する不安要素だったに違いない。

 両サイドアタッカーにしても、浅野は昨年9月の最終予選・タイ戦(バンコク)以来の先発。乾に至ってはハリル体制発足初戦の2015年3月のチュニジア戦(大分)から代表スタメンに陣取ったことがない。連係面がどこまでスムーズにいくか気がかりだった。

 そのネガティブな見方を打ち消すように、この日の日本は鋭く力強い出足を見せた。圧倒的な走力とハイプレスでオーストラリアにリズムを作らせず、高い位置で奪ったら次々とカウンターをしかける。

 その攻撃が結実し、前半終了間際には浅野が得意の裏を取る動きで先制に成功。ジャガーポーズで喜びを爆発させた。後半に入ってからはオーストラリアも徐々に攻め込み、アンジェ・ポステコグルー監督もトミ・ユリッチ(ルツェルン)、ティム・ケーヒル(メルボルン・シティ)といったカードを次々と切ったが、日本は足を止めることなく戦い、残り8分というところで浅野と同じリオデジャネイロ五輪世代の井手口陽介(G大阪)が強烈ミドル弾で追加点をゲット。試合前の悲観的見解を一蹴してみせた。

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