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日本代表 7年前

ハリルJ、最終予選で台頭した新戦力。ベテランの巻き返しも期待。W杯に向けた新たな競争

text by 元川悦子 photo by Getty Images

本田に至ってはアップゾーンに行くことすらなく…

 日本は過去のワールドカップ予選で高い壁として立ちはだかってきたオーストラリアを結果的に2-0で粉砕。90分間プレスをかけ続け相手を凌駕するというハリル監督が理想とするスタイルをやり通したうえに、これまでになかった新たな組み合わせも手に入れた。ボール支配率こそ38.4対61.6と大幅に下回ったが、シュート数は15対4。内容的にもこの大一番は最終予選ベストマッチと言っても過言ではなかった。

 交代出場したのは原口元気(ヘルタ)、岡崎慎司(レスター)、久保裕也(ヘント)。アルベルト・ザッケローニ監督体制から「攻撃3枚看板」と位置づけられた中の1人である岡崎は今季プレミアリーグ開幕2得点の好調ぶりを買われてピッチに立つ機会を与えられたが、香川はアップのみ。

 本田に至ってはアップゾーンに行くことなくベンチで戦況を見守るだけだった。若い浅野と井手口が結果を出したのを踏まえ、背番号4は「今日は俺じゃないでしょ」と一言口にして取材ゾーンを立ち去ったが、それは世代交代の象徴的場面のようにも映った。

「若い選手がこういうプレッシャーのかかる試合にぱっと出て、結果を残すことは簡単なことじゃない。今回の拓磨や陽介もそうだし、ここまでの元気や久保もそう。若手が結果を残すのは自分たちにとってのプラス材料」と川島永嗣(メス)も若手の台頭を前向きに捉えていたが、それは確かに今までの日本代表に欠けていた部分だった。

 昨年9月のUAE戦(埼玉)で今回の最終予選が始まった時、本田、香川、岡崎は攻撃の主軸に名を連ねていた。本田が先制点を挙げ、スタートは順調かに見えた。しかし、伏兵にまさかの逆転負けを喫したことで、ハリルホジッチ監督は次々とメンバーを入れ替え始めた。

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