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日本代表 7年前

ハリルJ、最終予選で台頭した新戦力。ベテランの巻き返しも期待。W杯に向けた新たな競争

text by 元川悦子 photo by Getty Images

若手を積極起用も、要所で起用されているベテラン

最終予選途中からA代表の重要なピースになった久保裕也
最終予選途中からA代表の重要なピースになった久保裕也【写真:Getty Images】

 所属クラブで定位置を取れなかった岡崎や香川はスタメンから外され、とうとう本田も昨年11月のサウジアラビア戦(埼玉)から久保の後塵を拝するようになった。今年6月のイラク戦(テヘラン)では森重真人(FC東京)も外され、昌子源(鹿島)が急浮上。最終ラインにも若返りの波が押し寄せた。

 それでも、香川や長谷部誠(フランクフルト)、山口のケガが重なったことから、イラク戦で背番号4は再抜擢され、存在感を示す形にはなった。彼自身もその継続を目論んだはずだが、ケガとパチューカデビューの遅れが響き、それは叶わなかった。

「ハリルさんはコンディションを重視する監督なんで、少しでもコンディションを落としたらもう外れる。自分はたまたま今日は出れたけど、インテルに帰って厳しい競争が始まるし、そこに勝って試合に出続けないと日本代表でのプレーは難しいかなと感じます」と本田らと長きに渡ってともに戦ってきた長友佑都(インテル)も神妙な面持ちで語ったが、それは30代選手の偽らざる本音ではないだろうか。

 2014年ブラジルワールドカップでアルジェリアを率いた時も、ボスニア人指揮官は20代前半の若手を重用した。インテンシティーの高いサッカーをしようと思えば、若くて走れる選手の優先順位が高くなる部分はある。

 とはいえ、ベテランの価値を全く理解していないわけでもない。3月のUAE戦(アルアイン)では今野泰幸(G大阪)を2年ぶりに抜擢し、川島もスタメンに戻す采配を見せたし、前述の通り、6月のイラク戦では本田を起用している。「日本人の全ての選手に扉が開かれている」という言葉は決してまやかしではないだろう。

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